『本』 の記事

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2004年12月11日

今年聴いた「青春アドベンチャー」

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NHK-FMのラジオドラマ「青春アドベンチャー」でスタンダール原作の「赤と黒」が2月、6~7月と放送された。私がもっとも好きな小説のひとつである。前編15話、後編15話。ジュリアンの声はビョンホンの吹き替え役の高橋和也。レーナル夫人は麻生祐未、マチルドは遠山景織子。

この小説の中で起こる事象のみを簡単にいうと、ジュリアンはレーナル夫人と不倫し、ばれそうになって追い出され、大貴族に取り入り、その娘マチルドを孕ませ結婚しようとするが、レーナル夫人が結婚を妨害し、ジュリアンはレーナル夫人を殺そうとするが未遂に終わり、ジュリアンは処刑される、という話。

なーんだツマンナイ、と思われた方、この物語にはこんなプロットなんて関係ないので、是非読んでいただきたい。

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2004年12月2日

私の好きな武田百合子

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師走になったのでそろそろ今年一年を振り返ってみたい。今日は今年出会った作家を取り上げることにする。一番心に残った人は武田百合子である。私のプロフィールの好きな人欄にある方のことである。

ロシア旅行の前に紀行文でも読んで少しは勉強しようと思い、新聞の読書欄でたまたま見かけた「犬が星見た―ロシア旅行」を手に入れた。読み始めてすぐに、これはいわゆる現地情報を仕入れるための旅行記としてはあまり役に立たないことに気が付いた。まるでおとぎ話のような旅行記なのである。非日常がくつろいだ日常のように翻訳され、ツアーでたまたま居合わせた人々は、家族のようにやさしい眼差しで描かれている。行く先々に形成される著者の私的空間が、読者の周囲に立ち現れ、沙漠のような異郷が身近な場所であるかのようで、その土地に親しみを覚えてしまうのだ。

長く旅行をしていると、普通の(こんな辺境を旅行していること自体は、普通とはいえないのだが)旅行者と違うレベルで旅行している人にごく稀に出会う。彼らの特徴は、いつもそうしているように朝食を取り、人々と関わり、子どもをたしなめたりすることである。見かけは大抵の場合、人種的に旅行者と判るが、振る舞いが現地に馴染んでいるのである。現地に馴染んでいるような、人々に愛されているような旅行者は大勢いる。そのような旅行者と彼らは違う次元であるということを念押ししておきたい。旅行慣れしているとか、何年も海外生活をしていたとか、文化人類学に興味があるというのも、ほとんど彼らの性質とは関係ないのである。

今までどのように周囲と関わりながら生きてきたのか?そのような人に対して、私はとても惹かれてしまう。武田百合子とはそういう人だ。

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2004年11月23日

むずかしい愛

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カルヴィーノの小説。1ダースの愛の冒険。1番好きな話は「ある夫婦の冒険」。昔「ボッカチオ」のようなオムニバス映画で見たはずだが、キネ旬DBでは見つけられなかった。今、たまたま小説を手に取って読んだら、急に観たくなった。誰か教えてください。

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2004年11月7日

原卓也の死(10月26日)

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「カラマーゾフの兄弟」の訳者(新潮)である。
外国文学の訳者で、誰なのか初めて気になった人だ。
私の気に入っているシーンは、ドミートリイとカテリーナの「宿命的な日」とリーザがイワンへの手紙をアリョーシャに渡した後、ドアで指をつぶす場面だ、などと言ったら、変だろうか?

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