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2005年11月1日

ポーラ美術館に行ってきました

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以前より訪れてみたかった箱根のポーラ美術館に行ってきました。写真をご覧頂きたいのですが、大変美しい美術館です。コレクションも質・量ともたいへんなもので、私の好きなモネやセザンヌ、ルソー、シスレーも良いものを集めています。

現在、開催中の企画展は「黒田清輝、岸田劉生の時代 -コレクションにみる明治・大正の画家たち」というタイトルで日本人画家が中心に紹介されているのですが、タイトル通り黒田清輝と岸田劉生の作品がダントツに素晴らしいです。

黒田清輝 「野辺」
チラシにも使われているこの作品は、師匠ラファエル・コランの影響がみられ、かなりエロティックです。姿態も表情もかなりそそられます。普通のヌードと異なる点は、アートとポルノを分ける感覚距離、そして画家とモデルの物理距離です。このふたつの距離感のバランスがこの作品の最大の魅力でしょう。それ故に「微妙な色彩を用いた繊細な光あふれる画面をもち、甘美で魅惑的な詩情をたたえている」なんて評論が可能になるのです。本当はもっといろいろと書きたいのですが、この辺で止めておきます(笑)

岸田劉生 「麗子坐像」
麗子の肖像画は中学の美術教科書に載っていたのを憶えています。授業で模写をさせられたのですが、この絵の魅力がわからなかったので、非常に苦痛でした。しかし、絵画全般をある程度体系的に理解し、写真に興味を持つようになり、更に写真からフェルメール(この時代はまだ写真は無く、カメラオブスキュラであるが)からリヒターまで幅広く多くの画家達が写真の影響を受けたことを知るに及び、劉生の作品が急に私の前に立ち現れたのです。写実を突き詰めることは、具象に近づくとは限らず、その表現するものは哲学的な意味合いの方が強くなる場合もあるから不思議です。

どちらも欲しくなる作品!また観たいです。

ところで、ここのミュージアム・ショップに私の友人が経営するアパレル会社のTシャツが販売されていてびっくり。ついでに宣伝しておきます。 >> ポンピン堂

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カテゴリー:アート |  コメント (4) |  投稿者:hyodo

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