2004年11月の記事

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2004年11月14日

シフォンケーキ地上編

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赤堀先生のレシピのおかげで、ふんわりしっとりシフォンケーキが焼けるようになった。このふんわりしっとりの触感はテンピュール枕に似ているような気がする。私はあの低反発枕に水分を感じるが、このシフォンはメレンゲの状態により実際以上に水分を感じさせるように焼きあがるのである。それまではお世辞で「おいしい」と言ってくれていた友人達も、「旨い、もっとくれ!」と言うようになった。おいしいケーキを作る人は、食べる人以上に幸せである。それまでは、いちいち七分立て生クリームをシフォンに添えていたが、赤堀レシピ導入後は添えることはほとんどない。湿度とやわらかさが丁度いいので生クリームが欲しいと思わないからだ。

型抜きが以外に難しい。これまで果物ナイフで型抜きをしていたが、先日、お菓子仲間と今年3回目の合羽橋道具街ツアーを敢行し、ペティナイフを買った。細身のナイフなので、これまでよりはキレイに型抜きできるようになったが、どうもアルミ型をナイフで削っているような感じがして、そのアルミの削りくずで(といっても見えないが)アルツハイマーになるのではないかと心配である。ドーナツ内側の部分は、竹串でしている。竹串ではきれいに型抜きできないので、やはりシフォンナイフを買うしかないなと思っている。

バリエーションは、紅茶を基本に、コーヒー、バナナ、ブルーベリー、桑の実などいろいろ試してみた。どれもおいしいが、ベリー好きの私は、ストロベリー・スウィッチブレイドやクラウドベリー・ジャム、果てはスピッツの「ラズベリー」を聴きながら、ベリー系シフォンを作っている(うそです)。今、一番気に入っているのはレモンのシフォン。これについてはまた今度ご紹介したいと思います。

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2004年11月13日

アラファト議長死去後

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昨日のシフォンの続きをアップしようと思ったが、重大なニュースが入ってきた。急遽アラファト議長を取り上げることにする。これまではシフォンだのフレンチだの中国茶だのについて近ごろ少々サブカル的な軟弱なことをさも知っているかのように語っていたかも知れないが、実は専門はアラブ及びイスラム世界なのである。(本当は建築です)

私は、これまでに中東6カ国、中央アジア2カ国のイスラム国家を歴訪し、「旅行人」という旅行雑誌の読者サークルの関係組織ではアラブ同盟を締結している。今年は世界最北にあるサンクト・ペテルブルグのモスクを訪れた。サマルカンドでは、非情なまでの暑さ中、私はアラーに敬意を表し長ズボンをはいてモスクを訪問していたのに対して、イスラム教徒の現地ガイドオリム君は半ズボンで私を案内した。売り子達はオリム君を観光客と勘違いをし、土産物を売りつけにたかっていたが、私にはそんなことはなかった。8年程前にフジテレビがイスラム教に対する不敬報道をしたことがあり、その謝罪のための番組が製作されたことがある。そのときフジテレビは勤務先にまで押しかけ、私は同僚のイスラム教徒に対するコメントを求められたことまである。更に教育テレビのアラビア語会話を毎週視聴していて、師岡カリーマ・エルサムニーの大ファンである。(彼女に関しては後日あらためて書くことにする)

私の低レベルなアラブ自慢はさておき、アラファト議長の死去により、パレスチナだけでなくアラブ全体はどのように変化していくだろうか?ここ2日間の朝日新聞の記事を読んでいただけでは、私見をまとめることが難しいことがわかった。特に11月13日付朝日朝刊オピニオン欄の中東地域研究者の池内恵氏の論評を読んでそう感じた、というかアラブ世界に救いはないように思ったのである。ここまで書いて行き詰った。ただただ彼らの幸福を祈るしかないのかな?

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2004年11月12日

シフォンケーキ宇宙編

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私はシフォンケーキをよく焼く。シフォンを焼くようになったきっかけは、自宅のキッチンの改装時にオーブンが入り物理的に製菓環境が整ったことと、その頃読んだ新聞のコラムで毛利衛さんがお菓子作りを趣味としていることを知り、その影響を受けたからである。私は宇宙飛行士ではないが、大学では航空宇宙工学を専攻していた。それゆえにシフォンのドーナツ形状に何かしらスペースステーションのような宇宙的なものを感じ取ったのかもしれない。先日立ち会ったある取材で、風景画家が、描いているときに自分がその風景に溶けるような、宇宙を感じるような気持ちになるときがあると答えたのを聴いて、感銘を受けた。実は私もメレンゲを泡立てながら泡宇宙論に思考を巡らせていた。シフォンケーキは泡宇宙論を超える。なぜならシフォンはメレンゲをも飲み込み、絶対零度の空間を443K(170℃)まで熱することにより生まれる。それはメタ宇宙と言えるかもしれない。

焼き始めた頃はカルディのシフォンケーキミックス粉を買っていた。その後、シフォンの材料は、薄力粉と砂糖と卵とサラダ油と水分だけであることを知った。ミックス粉など必要ないのである。更に書店やネットで調査を進めるうちに、赤堀博美さんの名著「しっとりシフォンケーキ―初めて焼いてもとびきりおいしい35レシピ」(別冊家庭画報)と出会った。私が手に取ったシフォンレシピの本の中では、唯一シフォンの歴史、材料の数量の理由などが詳しく解説されていた。レシピの内容は、他の多くのレシピ集とは多くの点で異なり(私はその内容をここで紹介したくない)、メレンゲの泡立て方には特に詳細な解説があった。メレンゲ作りの心構えまで記されており、理想のメレンゲ作りのために見開き2ページに写真が12カットも掲載されている。更に私が気に入ってしまったのは、そのころメレンゲを泡立てるためのハンドミキサーの購入を検討していたのだが、赤堀先生は「ハンドミキサーではメレンゲの微妙なやわらかさを見極めることが出来ないので、泡立器で確認しながら行ったほうがいいと思う」とおっしゃっていた点だ。

私はこのレシピを読んで、宇宙的な芸術品のようなシフォンケーキが焼きあがることを想像し、胸が高まってくるのを感じた。渋谷のブックファーストから発進すると、青山通りの紀ノ国屋まで遊泳し、切らしていた国産ハイパーバイオレットを無事収容した。そして自宅のキッチンへ航路を定めると、歩調を光速に切り替えたのだった。
(つづく)

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2004年11月11日

白い恋人たち

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先日、吉祥寺駅改札から出てロンロンの新星堂を通り抜けるときに、フレンチポップスのコンピレーションらしき試聴コーナーあることに気が付いた。その日は中央線の車内吊り広告でウェイウェイ・ウーがバカラックを弾いている広告を見た後で、それがアプレ・ミディのスリーブ・デザインに似ていたことも、そのコーナーに気が付いたことに関係あると思われる。「なんだかまたはやりはじめたらしいぞ」と私はひとりつぶやきながら、しかし、試聴もせずにその脇を通り過ぎた。

私のiPodには購入当時からフレンチポップスというプレイリストが作成され、常時50曲分が自動選曲されている。モローやバルドーやバーキンやその娘だのギャルだのが入っており、彼女らは味わい深いシャンソンを聴かせてくる。しかし、洗練されたポップスに聴き慣れた友人達には評判が悪く、「このベタコテ歌謡曲のどこがいいのかわからない」そうである。そもそも私がフレンチに目覚めたのは、昔日、二子多摩川にあったハシシという危ない名前のクラブでシルヴィ・バルタンの「あなたのとりこ」を聴いてからである。CMでもよく使われているので、聴いたことがある人も多いと思う。すぐに中古レコード屋をでシングル盤を探し、その後見つけるたびに買い求め、その道の友人達にプレゼントしたものだ。

そして今だに探しているフレンチがある。「白い恋人たち」のサントラである。やはり昔日、友人達と房総の洲崎へドライブしたときに、友人のカセットテープにその中の1曲が入っていた。「あなたのとりこ」がポップス調で親しみ易いのに比べ、レイのサントラ曲は好みではなかったが、なぜかそのボーカル曲は気に入ってしまった。でもなぜか今まで買わないでいた。そうこうしているうちに数年前から店で見かけなくなってしまった。新品では手に入らないのである。億劫だが、時々中古屋に行ったおりにはチェックしている。

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2004年11月10日

2種類の中国茶

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横浜に行くついでがあったので、中華街の茶舗に立ち寄った。いつもの店で中国茶を買った。碧螺春は、紅茶で喩えると F.T.G.F.O.P. のように産毛がふさふさしたような新芽の緑茶である。金萱は、同じ高山茶でも阿里山の対極にあるようなバニラ香の強い青茶。香りと味の性格、産地もまったく異なるお茶だが、私のお気に入りである。

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2004年11月9日

突然炎のごとく

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監督トリュフォー、1962年。なぜか何度も見てしまう。
「心から心へ移る愛は、神よ、苦しみを生む」みんなそうなのだろうか?

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2004年11月8日

失楽園 風景表現の近代1870-1945

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近年の風景表現に至までの歴史を知るのに絶好の企画展である。
(横浜美術館12月12日(日)まで)
空虚を超えての風景美を探究する者に
とってのヒントが散りばめられている。
気になった展示作品は、
ルノアール「木かげ」・・・(私はルノアール嫌いだが、これは別)
岸田劉生「門と草と道」
ウェストン「石膏工場」
木村伊兵衛「墓場」

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