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坂戸のアトリエ

埼玉県坂戸市に計画した若い画家夫婦のためのアトリエ併用住宅です。 アトリエは、街に開かれた絵画教室やギャラリーとしての機能も要求されました。そのためアトリエは1階、住宅の居室を2階にしています。アトリエは、道路や向いの公園から内部の様子がわかるように全て透明ガラスにして出入口を設け、サッシ枠の色をシルバーにすることにより、住宅部分の黒い外壁に対して際立たせ、自然とアトリエのほうへ視線が向くようにして、アトリエと住宅を視覚的に分節し、住宅部分のプライバシーを保っています。

ポーチとヒノキ板の目隠しスクリーン

エントランスから道路までのアプローチは、少しずつプライバシーの度合いが変化するよに配慮しています。ヒノキ板の目隠しスクリーンがあることにより、外部空間も人目にさらされる場所ではなく、私的な空間になります。

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アトリエ

道路から離れていて庭に近い方のスペースは、少し落ち着いた雰囲気となり、施主の製作スペースとして使われ、道路に近い方は絵画教室やギャラリーとして利用されています。幅 3.64m、奥行 10.92m、天井高 2.92m、広さは24畳。アトリエとして十分な空間を確保しています。天井を高くしながらコストを抑えるために、床を張るのを止めベタ基礎モルタル仕上げとし、天井は梁の架構をあらわしました。梁の溝を利用して長さ2.4mの蛍光灯を組み込みアトリエでの製作に邪魔にならない照明計画にしました。

アトリエと住宅部分の仕切り

右手のエントランスは住宅部分なので、絵画教室が開かれているときは、手前の白い大型引戸でアトリエと住宅エリアとを仕切り、公私の空間を分けています。

リビング・ダイニング

リビングは天井の高い開放的で明るい広々とした空間です。片流れの屋根を利用し勾配天井としてを変化を持たせ、トップライトの下は大きな絵を掛けるために全面を壁にしました。また光量、日射を調整できるように電動ブラインドを設けています。

デッキテラスをリビングの延長として利用できるように建具は引込み戸とし、床を同じヒノキ材とし視覚的につなぎ一体感をもたせました。デッキテラスの手すりは室内が覗かれないように高めにし、板を内外から互い違いに貼っています。これによりリビングのプライバシーと通風の両方を確保しています。

キッチン

クライアントの要望に細かな点まで合わせられるようにオーダーキッチンを製作しました。カウンターの収納はすべてレール付の引出しとし、壁にはフライパンやスパイス棚を吊るすことができるハンガーシステムを取り付けています。コンロと壁の空き寸法は 200mm取っているので、片手鍋やヤカンを仮置きするのに便利です。吊戸棚は開き扉なので、耐震キャッチを付けています。

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洗面コーナー

通路の突き当たりをちょっとおしゃれなボウルを使った洗面コーナーとしました。外壁面の後退緩和規定を利用して、出窓のように設置し、トップライトから光を取り入れ、明るく気持ちの良い場所になりました。

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バスルーム

白いタイルとポリカツイン乳白を使い、清潔感のあるバスルームになりました。通風のために縦長の窓を設けているので湿気が抜けやくなっています。

埼玉県川口市の一級建築士事務所 兵藤善紀建築設計事務所