斜め作図支援

斜め作図支援

斜め作図支援とは?

「斜め作図支援」は、Vectorworks が苦手とする、斜め方向の作図・編集を簡単に行うことができる VectorScript プラグイン集です。 AutoCAD の UCS コマンド(軸回転)や、JWW の「角度取得」コマンドと「軸角」を使うようなイメージです。

シェアウェアの「斜め作図支援PRO」とフリーウェアの「斜め作図支援FREE」の2種類のパッケージがあります。「斜め作図支援FREE」には、「i方向、j方向複製」、「i方向、j方向頂点移動」プラグインが含まれません。又、ヒストリーを残せる数や tanθの数値が取得できないなどの機能制限があります。

「斜め作図支援PRO」の全ての機能をご利用いただくには、ライセンス・キーが必要です。ライセンスのご購入については、「ライセンスの購入について」をご覧ください。

主な特徴

  1. 斜め方向の移動、連続複製、頂点移動が簡単に行えます。
  2. 移動距離と基準線角度の履歴(ヒストリー)を記録し、再利用できます。
  3. グループ化された図形の頂点移動をグループ解除せずに行うことができます。
  4. 角度の取得は、θ[deg]、tanθの両方を使用できます。tanθは勾配屋根の断面描画に便利です。
  5. 平行線ツールは、直線 又は 多角形、四角形、曲線の辺と同じ長さの平行線を数値入力で手早く描くことができます。

各プラグイン・ツールとメニューコマンドの概要

平行線ツール
直線 又は 多角形、四角形、曲線の辺と同じ長さの平行線を数値入力で手早く描くことができます。円・円弧の同心円弧も同様に作図できます。JWWの「複線」のようなコマンドです。
基準線角度の取得
通り芯などの基準線となる線の角度を取得します。「i方向移動」や「j方向頂点移動ツール」と組み合わせて使うユーティリティ・メニュー・コマンドです。JWWの「角度取得」のようなコマンドです。
i 方向、j 方向移動
x - y 座標が水平・垂直の軸だとすると、それに対して角度を持った i - j 座標を基準として作図したいことがあると思います。このメニューコマンドは、i 方向、j 方向に図形を移動するためのコマンドです。
i 方向、 j 方向複製
x - y 座標が水平・垂直の軸だとすると、それに対して角度を持った i - j 座標を基準として作図したいことがあると思います。このメニューコマンドは、i 方向、j 方向に図形を複製するためのコマンドです。配列複製のように、複製する数を指定することもできます。
i 方向、j 方向頂点移動ツール
x - y 座標が水平・垂直の軸だとすると、それに対して角度を持った i - j 座標を基準として作図したいことがあると思います。このメニューコマンドは、i 方向、j 方向へ図形の頂点を移動するためのコマンドです。グループ化された図形もグループに入ることなく頂点移動が可能です。
斜め作図支援PRO設定
「斜め作図支援PRO」の、ヒストリーの設定と、ライセンス・キーを登録するためのメニューコマンドです。
ダウンロードとインストール
こちらからプラグインのダウンロードができます。インストールと設定方法についてもこちらをご覧ください。
「斜め作図支援PRO」のライセンスの購入について
「斜め作図支援PRO」は1ライセンス 2,100円(消費税込)です。お支払い方法や、ライセンスの詳細はこちらをご覧ください。

今後、追加する機能、アイデア・メモ

  • 水平垂直座標系にあるオブジェクトを ij座標系に回転移動するメニュー・コマンドの追加
    >開発終了、次期バージョンで対応
  • ij方向頂点移動で頂点を選択する際の矩形を斜めにする>Repeat-Untilでマウス座標を拾うことで可能だが、若干反応が悪くなる>設定メニューで選択できるようにする?
    >開発中
  • ヒストリー数を増やした時、0を入力するとヒストリーが正常に更新されない不具合の訂正
    >訂正終了、次期バージョンで対応
  • 平行線ツールで、グループ化された図形の辺を取れるようにする
    >開発終了、次期バージョンで対応
  • ij 方向頂点移動ツールで、選択図形があるときは選択図形を対象とし、選択図形が無いときは、矩形範囲内を頂点移動の対象とするようにする
    >開発中
  • ij 方向移動、複製、頂点移動ツールで、「±反転」だけでなく「×2」「×0.5」を追加する
    >開発中

「斜め作図支援」開発の経緯

Vectorworksは、大変使いやすいCADです。しかし、平面の通り芯が傾いていたり、外壁が道路斜線に沿っていたりすると、とたんに作図に手間が掛かります。勾配屋根の棟や軒先の詳細図なども斜めの線を描くことが多く、これまた面倒なものです。

斜めの線を描く必要のある図面は、建築全体の納まりを検討する上で、最重要な部分であることが多く、作図を避けることができないばかりか、設計の初期段階で複数の案を検討する必要があったりします。更に、通り芯の振れ方がビミョーな場合、手描きのスケッチのように本当に納まっているのか?(と思うときは大抵納まっていないが、スケッチはなぜか納まっている)判断が難しいときがあり、正確な図面での検討が必須です。

そんなとき、斜め線の作図に弱いVectorworksは無駄に辛いのです。

僕は長年、この問題をどうにかしたいな!と強く思ってきました。修行時代もそうでしたが、独立してからは、更にこの問題を避けて通ることが難しくなり、VectorScriptのコーディングに着手するに至りました。

このプラグインを使って、斜め線の多い図面を早く作図できた分、多くの検討とアイデアを積み重ねて、社会性のある多くの人に愛される建築を設計していただければと思います。