2009年2月の記事

2009年2月27日

USBメモリからKNOPPIXをブートする

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昨年末にハードディスクがクラッシュしてWindowsが起動ができなくり、大変な騒ぎでしたが、ブートセクタがおかしくなっただけだったようなので、KNOPPIXをCDに焼き、CDドライブからOSを起動することにより、データを救出することができました(参照>ハードディスククラッシュ顛末記)。このような緊急事態がしょっちゅう起こらないことを祈るばかりですが、CDからのKNOPPIX起動、操作は、ハードディスクと異なりアクセスに非常に時間がかかるので、USBメモリからKNOPPIXを起動すれば快適だろうと思い、今後に備えてUSBメモリにインストールしてみました。以下備忘録。

検索して調べてみたところ、一番簡単そうだった次の方法で作成しました(参考>USBブートするKNOPPIXを作ってみた。 – linoの日記)。

必要なもの

  1. KNOPPIXをブートできるCD、DVDなど(無い場合はあらかじめ作成しておく)
  2. USBメモリ(僕の使用した物は、SanDisc製、8G、FAT32フォーマットで、既にPortableアプリやデータなど入れて使用しているものです)

作成方法

  1. KNOPPIXをブート
  2. USBメモリを差し、認識されたらマウントを解除
  3. メニューのKNOPPIX – root shellを起動する
  4. shelll上で"mkbootdev"と入力する
  5. メニューに従ってインストール

これだけで簡単にKNOPPIX起動USBメモリができました。CDと比べると格段に快適です。

ここでふと思ったのですが、Windows もUSBメモリで起動できれば便利ですね。必要なポータブル・アプリケーションもインストールして持ち歩けば、(何がインストールされているかわからないようなPCを使わなければならないときは)外出先のPCをUSBメモリでブートして普段と同じ環境で使用できますし、完全に使用履歴がそのPCに残らないと思うので(U3や PortableAppsも履歴が残らないが)安心ですよね。 Windows Portable なんていうUSBメモリから起動できる製品があれば結構売れるかも知れません。もし製品化されてもアクティべーションの問題があるので、USBメモリへのプリインストール版とかにはなってしまうと思いますが。

ちなみに PortableApps.com の Applications タブに Operating System カテゴリがあり、Linuxを組んだものは Comming soon だそうです。Firefoxなども使えますしGmailなどのクラウド・サービスはブラウザさえ使えれば問題ないわけですし・・・Windows環境にこだわる最大の理由は、PhotoshopやVectorworksなど市販アプリケーションがWindowsやMacでなければ使えないということですかね。

今日の写真

先日参加した川口メディアセブンのイベント"55km2"で撮った三地蔵。とても温かそうです。場所は川口と越谷の市境付近の越谷側です。


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2009年2月17日

「建物のカケラ ~一木努コレクション~」を観て

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東京都立小金井公園内にある江戸東京たてもの園にて、3月1日(日)まで。

一木努コレクションのことは、藤森さんか赤瀬川さんの本で知っていたが、実際に拝見するのは初めて。なんと23年ぶりの展示とのこと。久々にかなり行きたいと思っていた展覧会だったのだが、実際の展示は僕の過大な期待を裏切らない大変密度の高い、小さい会場にもかかわらず様々な粋が凝らされ、楽しめる内容だった。

一木コレクションとは、主に大正~昭和20年代に建てられた建物が、高度成長期からバブル経済期を経て現在までに取り壊された近代名建築の残骸の一部(石、レンガ、タイル、モルタルの破片、金物、手すり、建具など)を独自の審美眼で採取・保存したものである。収集物はあくまでも「カケラ」であって再利用可能なものは極めて少ない。収集範囲は全国に900ヵ所及び、今回の展示ではそのうちの700点が展示されている。驚くべきはこれらのコレクションは一木さんの本業(歯科医)の傍ら、建物の解体現場に通い収集されたものであることである。

僕が訪れた2月15日(日)には、会場に一木さんご本人がいらっしゃったので、少しお話することもできた。以下、その内容の記録。

hyodo:今回の展示はどのような経緯で実現したのですか?

一木さん:たてもの園の学芸員の方(浅川範之氏)が家までコレクションを見にきて、是非展覧会をやりたいということで実現しました。

hyodo:コレクションはどのように保存されているのですか?

一木さん:大体は段ボールにカケラとそのメモと一緒に入れて、借りている納屋に積み上げています。

hyodo:このカタログは無料で頂いていいのですか?すごい密度の内容ですね。売れますよね(薄いが内容は濃い。これを貰いに行かない手は無い)。

一木さん:いいでしょ。学芸員の方が作ってくれたのですが、僕もこれなら売れると思うんですけどね。

ちなみに「建築の忘れがたみ―一木努コレクション」( INAXブックレット1985年刊、絶版)は現在高額で取引されている。

ここで、お知り合いが会場にいらっしゃり会話は途切れてしまい残念。展示順路を辿って行くと会場の出口の壁には「時」の字があった。その木製切り文字は、一木さんの地元下館にあった時計店の看板文字なのだが、この日拝見したどちらかというとユーモラスにさえ見える「カケラ」たちの本心を最後に突きつけられたような気がしてドキリとした。

帰り道、いろいろと「建物のカケラ」展のことを考えた。思いついた順に述べる。

  1. 第一勧銀本郷支店の天井飾りと、徳島県庁の換気口が欲しいな。日仏会館や吉阪隆正邸のタイルも良かった。
  2. 一木さんは近代建築の遺族なのだな。ただ集めるだけで(不動産・建設業界に)批評性を帯びてしまう行為ゆえ、23年間も展示が途絶えてしまったのかも。
  3. MビルやM地所、M不動産など(Mが着くところが多いな)のトップにはわからない・解れないだろうな。自己矛盾・自己批判となったとしても展覧会の援助すれば、彼らにメリットこそあれデメリットはないだろう。なぜなら彼らの援助があれば一木コレクションの批評性が弱まるからである。
  4. もっと大会場でやっても良い内容と点数の展覧会だったから南条さんがM美術館でやったりしたら面白いのに。RCAビルの壁画にレーニンを描いたリベラのように追い出されたりして。でもロックフェラーはギャラは支払ったけど・・・・。

今日の写真
江戸東京たてもの園には27棟の移築・復元建築物がある。この写真は「常盤台写真場」(昭和12年建築)の写場。北側の大きな高い窓からの光が気持ち良い空間をつくっています。

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2009年2月13日

『つながる身体 伝える身体』に参加

2月11日(水)10:00~16:00、川口メディアセブンのワークショップ「『つながる身体 伝える身体』 能における身体技法」に参加した。能は昔、鎌倉のお寺での舞台に連れて行って頂いたことがあるくらいで、知識はほとんどなかったが、能の鑑賞をしたり解説を聴いたりするような勉強会とは違い、実際に自分の身体を動かして能の世界を理解・認識してみようという趣旨のワークショップで、面白そうなので参加してみた。以下、備忘録。

講師:安田登さん(能楽師:ワキ方下掛宝生流)、アシスタント:クスミさん

アプローチ1/能とは?

主にシテ、ワキからなる日本の古典芸能。シテは大抵この世の人ではない死者や精霊などであることがほとんどである。能面を着けるのはシテのみ。

古代中国の甲骨文字は、身近な動物や人の身体を表したものが多く現代の漢字のほど抽象化されていない。まだ「心」の文字はなかったので、「心」という概念が存在しなかったものと想像される。たとえば「取」という動詞は「耳」と「手」という人体の部位の組み合わせで行為を表現している(当時は耳で個人の識別をしていたようで、敵を倒したときは首を取るのではなく、耳を切ったらしい)。こういったことから、当時はさまざまな事象を概念(心)ではなく、もっと身体に近いところというか体全体で読み取っていたのではないのかと思われる。(甲骨文字の成立より能の成立はずっと後の年代であるが)能は概念ではなく体で感じる行為である(安田さんはもっとわかりやすく良いことをおっしゃっていた)。

アプローチ2/ロルフィング

―実験1―

  1. まずできるだけ前屈をする。>僕は体が硬いので床に手が着かない。
  2. 横に人に立ってもらって、片手をその人の上腕に添わせながら前屈をする。>最初より曲がる。床に指先が着く。
  3. 2と同時にティッシュを撚って奥歯で噛みながら前屈をする。>さらに曲がる。
  4. 隣の人の上腕に片手を添わせているイメージで、奥歯でティッシュを噛んでいるイメージで前屈をする。>イメージするだけで曲がるようになる。
  5. 更に前屈しながら人差し指を動かしてみる。>まだまだ曲がる。

この実験は体が硬い僕にとって結構驚きだった。体が硬いということは、脳と筋肉の情報のやり取りが十分に出来ていないからであるということは知っていたが、ある行為やイメージを加えることにより、脳と筋肉のネットワークが強化されるようだ。

―実験2―

能において、腕とは肩甲骨、胸骨及びまわりの筋肉も含む範囲である。足とは大腰筋の始まる腰の部分を含む範囲である。そのことを意識しながら力を抜き、振り子のように腕・足を振ることにより、肩甲骨の筋肉・大腰筋が緩み、腕・足が長くなる。大腰筋が緩み足が長くなった状態で歩くと、左右の足の長さが同じではなくなるので、少しの間、歩くと変な感じになる。

能で使われる楽器

囃子は舞台正面右から、笛、小鼓、大鼓、太鼓の順で並ぶ。横縦横縦という並び方であり、陰陽にも即している。囃子とは「生やす」の名詞系「生やし」が語源で、舞台を活性化する役割を担い、演奏することとはニュアンスが異なる。能で使われる笛(能管)は見た目は雅楽で使われる竜笛に似ているが、メロディーを奏でる楽器ではない。能管は息を強く使い、運指は「指を打つ」といわれ、管楽器ではなく打楽器として使われ音階も無い(実際には音階はあるが意識されない)。また倍音が出にくい構造になっており、音階が意識されないが故に謡(うたい)との調和が図れる。能管には「ひしぎ」という音がある。「ひしぎ」とはこの世あの世の境界を破壊しつなげる音の意である。

能の呼吸

―実験1―

意識的に「はき」、自然に「すう」を繰り返す。なれてきたら軽く声帯を鳴らすように声を出しながら「はく」。

「呼吸」とは、「はいてすう」ことであり、能において一番大事なことである。特に「はく」ことに注意する。激しい運動の後で息が切れるときには、吸い込むことに注意を向けがちであるが、十分に息をはいた方が呼吸が整うまでの時間が短い。その証拠に海女(アマ)は長時間海中に潜ってから海面に顔出して最初にすることは、息を吸うことではなく「はく(”口”偏に”つつみがまえ”の中に”口”と書く。この漢字はSJISやUnicodeには無い」。呼吸は普段は無意識にされているが、コントロールすることもできる。自分の行為において意識して行ったことは自分の意思だが、無意識になされることは神の意思である、と昔の人は考えていた。能では意識と無意識の中間、覚醒と睡眠の中間を目指す。

―実験2―

新聞紙を破る。左手に持って垂らした新聞紙を「ハッ!」など大きな声を出しながら右手パンチで突き破る。体を動かすということは、引く筋肉と伸びる筋肉があるということである。声を出すことにより伸びる筋肉のブレーキを外しより早く腕が動作する。
YouTubeで近い映像を見つけました > http://www.youtube.com/watch?v=jv35J8_rwQI

摺り足

大腰筋をまず意識する。内部の筋肉を使うには、ゆっくりと小さく動いてみる。うまくいかないときは胸骨を広げるように。後頭部も意識して頭の位置を確認。

能鑑賞

安田さん、槻宅さん、水野さんによる小作品の公演。題目「道成寺(一部)」、「夢十夜 第一夜」、「夢十夜 第三夜」、「吾輩は猫である(猫が餅を食べるシーン)」

感想

昼休みを挟んで6時間にもおよぶワークショップでしたが、最後まで大変楽しめました。定員30人のところ55人が参加したそうで、大盛況でした。その55人は5グループ11人ずつに分けられたのですが、僕が入ったグループには川口市民は僕ひとりで千葉や東京の遠方から参加した方が結構いました。ひとつの市では、これほどよくできたワークショップでも人を集めるにはなかなか大変なようです。


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2009年2月8日

PHP5、Apache2.2のインストール

なんとなくPHP5とApache2.2を自分のWindows XP環境で動かしてみたくなり、インストールすることにした。世の中にはPHPとApache、MySQL等をいっぺんにインストールできる便利なパッケージ”XAMPP”や”VertrigoServ”があるが、PHPやApache、MySQLそれぞれは独立したシステムであり、メージャーバージョンアップやセキュリティー対応等の修正版などは同時にリリースされるわけではないので、それぞれ個別に配布元のサイトからダウンロードし、インストールした。以下備忘録である。

PHP5.2.8のインストール

  1. php.net から PHP5.2.8 zip package をダウンロードする。後で気がついたが、このzip パッケージには、PECL が付いていない。msi インストーラ版にはすべて付いているようなので、そっちの方が良いかも。
  2. c:\phpを作成し、その中にzipファイルを展開する。c:\Program file 内にインストールしないのは、php.net のドキュメントによると、フォルダ名にスペースが含まれるパスへのインストールは非推奨となっていたからである。
  3. 環境変数の Path を通す。設定方法は、コントロールパネルから

    システム>詳細設定タブ>システム環境変数欄の Path を選択>編集ボタンを押して ;c:\php を追記

    “c” の前のセミコロン “;” を忘れないように。セミコロンは区切り文字である。再起動することにより有効となる。

  4. php.ini の編集をする。セミコロンを消すと有効になる。

    拡張モジュールのディレクトリ設定

    extension_dir = "C:/php/ext"

    Webサーバーのドキュメントルートを設定

    doc_root = C:/Program Files/Apache Software Foundation/Apache2.2/htdocs

    日本語環境の設定をする。UTF-8が主流になってきたことを考えつつ、EUC-JPで書かれたスクリプトが多数あることも考慮して選択。

    default_charset = "UTF-8"
    extension=php_mbstring.dll
    mbstring.language = Japanese
    mbstring.internal_encoding = UTF-8
    mbstring.http_input = pass
    mbstring.http_output = pass
    mbstring.encoding_translation = Off
    mbstring.detect_order = UTF-8,SJIS,EUC-JP,JIS,ASCII
    mbstring.substitute_character = none;

Apache 2.2.11 のインストール

  1. http://httpd.apache.org/ からWin32 Binary OpenSSL実装版インストーラ(サーバを公開する予定はないが・・・)をダウンロードしてインストール
  2. confフォルダ内のhttpd.conf の編集Apache2.2用php5モジュールをロード。LoadModuleはアルファベット順に並んでいたので、それに倣うことにした。
    LoadModule php5_module "c:/php/php5apache2_2.dll"
  3. phpを実行させるための記述をする。AddType application が記述されている後に追加。
    AddType application/x-httpd-php .php
    AddType application/x-httpd-php-source .phps
  4. phpがApacheで作動するかのテストは以下のソースをtest.phpとでもいうファイル名でドキュメントルート\Apache2.2\htdocsに置く。
    <?php phpinfo(); ?>
  5. ブラウザに “http://localhost/test.php” と入力し、phpinfoが表示されれば成功。うまくいかない場合は、php.ini , httpd.conf をもう一度見直した後、Apache をリスタートさせてからブラウザを再表示させる。

参考書籍:「まるごとPHP ! Vol.1」(インプレス)。
参考HP:phpマニュアルApache HTTP サーバ バージョン 2.2 ドキュメントPHPBOOK


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