2005年4月の記事

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2005年4月28日

この曲が無いと死ぬ!

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まず下記の2つの複雑な事情を告白しておく。

A.私は長年公私共々Macユーザーであったが、公私共々Windowsユーザーに翻った。
B.私はApple社の携帯音楽プレーヤー iPod を所有している。

さて、私の廻りにはMacユーザーが多く、2003年夏にA が実行されたとき裏切り者のように白い目で見られていた。特にMacの同志として長年友好を温めてきたt-space氏からの糾弾は激しかった。PowerMacよりはるか昔からMacユーザーだった私自身も少々の罪悪感を感じていたが、Mac OS Ⅹはどうも使う気になれず、それなら安いWindows機でいいやと思いDellを買った。

生粋のMacユーザーであるt-space氏は、iPodを当然の如く所有していた。当時 iPod のプロパティはMacにあり、iPodを持っているということは 当然Macユーザーであることを表していた。この頃Windowsで iPod 使用する場合は、複数のアプリケーションを使い分けたり、パッチを当てたりする必要があり少々面倒で、ユーザーは物好きに限られていた。しかしちょうど私がDELLを買った頃、Windows版の iTuneiPod に音楽データの転送などをするためのパソコンソフト)がリリースされ、 iPod for Windows が正式にAppleから発売されたのである。そこで私はいたずら心から t-space氏の嫉妬心を煽りたくなり、B を実行することにした(<–t-spaceさん、話を面白くするための狂言です。ご勘弁を・・・)。MacからWindowsに寝返りながら iPod を所有する・・・この軽い罪悪感が愉快であったのである。
ちなみに私が所有する iPod は第3世代の M9244J/A という型でハードディスクの容量は20GB、約5000曲が入る。

iPod を使用する環境が、Macだろうと Windowsだろうと関係なくなった今では、当時の私たちの複雑な心理状態を想像することは難しいかもしれないが、iPod を所有することはMacユーザーの特権であり、ダサい携帯プレーヤーしか使えないWindowsユーザーに対する最大のアドバンテージであった。それをWindowsに乗り換えた裏切り者の私が、最新の大容量 iPod をUSB(MacはFireWireである)に繋いでオートシンクしたり、小躍りしながら聴いたりしているのを見せつけられたt-space氏は面白いはずがない。これは世のグローバル化がもたらした一時的な悲劇なのである。誰も悪くない、誰のせいでもない。悪いのは私がMacユーザーの心境を理解していたことである(笑)

さて前置きが長くなってしまった。本題に入りたい。iTuneには「マイレート」という機能を使って曲の評価付けをすることができる。マイレートは星の数0~5で表される。スマートプレイリストという自動選曲機能にマイレートを利用して、次のような名前のプレイリスト作成している。

この曲が無いと死ぬ!・・・・・・★★★★★ 全22曲

至福のとき・・・・・・★★★★ 全132曲

いつ聴いてもいい・・・・・・★★★ 全509曲

たまにはいいかも・・・・・・★★ 全174曲

いらん・・・・・・★ 削除候補 全41曲

ちなみに★無しは約2000曲。

どんな曲が★★★★★なのかは恥ずかしいので申し上げられないが、ほぼ正規分布になっている。リンクしている全曲をちゃんと聴いて評価しているわけでも無いが、結構お気に入りの機能である。他のiPod ユーザーの方々はどのようにマイレートを使っているのだろうか?

BGM “I Want To Stay With You” Carol Douglas

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2005年4月22日

死と不条理

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今日、チャングムの誓い(NHK-BS2 海外ドラマ)を観た。ハン尚宮が死んだ。観ていたひとは色々と考えさせられたのではないだろうか?(私がハマりすぎなだけかも(笑))

これに関連して私がブログリンクさせていただいている「無聊仲間」の記事にちょうどリンクしたくなるような話題がありましたので、紹介させていただきます。

marinさんのブログ「自転車でおいで」の記事「ごめんね」を読んで子どもの頃を思い出した。小学校5年生の頃、友達の近所にカラタチの垣根で捕まえたアゲハの幼虫を10匹ほど育てたことがある。毎日新しい葉に入れ替えて世話していると、黒い幼虫は脱皮して綺麗な緑色になり、ついにサナギになった。ある早朝羽化したアゲハは割り箸に捕まって小さな頼りない羽を乾かしていたが、しばらくするとクリーム色と黒に青と朱のアクセントのある大きな羽になり、静かに羽ばたくと空へ飛んでいった。ほとんどは無事に羽化し飛んでいったのだが、そのうちの2匹が羽化したときに羽を伸ばすことができずクシャクシャになってしまって飛べなかった。羽化したばかりのアゲハが、羽を乾かす際にぶら下がる割り箸を入れて置くのを忘れてしまったからだ。捕まえた蝶やトンボの羽をむしったことは数限りないのに、この2匹に感じる罪の大きさは何なのか?

naokiさんのブログ「N’s factory」の記事「死を選ぶということ。。。。」ほぼ全面的に共感した。真実と不条理を受け入れないことが、その人の不幸の要因だと思う。と言いつつ私自身はそうできなかったりもする。

クルミさんのブログ「結婚まであと●日」のカテゴリー「じっちゃんのこと」。彼女のおじいさまが入院して、亡くなり、葬儀を行い、そしてその後の法要のこと、おじいさまの思い出が独特の表現で淡々と語られている。クルミさんのそのときそのときの気持ちが素直に表れていて、しかも “wet” な場面を “wit” で返す名文。

私自身の身の回りの死は愛犬が8年前に死んだときのみ。14歳、老衰。彼女は夜中に自らの死期を知らせてくれたので、最後を看取ることができた。最後ちょっと苦しんで起きあがろうとして、パタっと倒れてヒューと肺から空気が抜けた。翌朝仕事を半日休んで、ペットの火葬場で火葬した。「ペットの為の墓や骨壺は必要ない」とそのときは思ったが、灰くらいは庭に撒いてあげればよかったなぁ。1年後のちょうどこの日、旅先で寝込んでいた私は急に彼女を思い出して初めて泣いた。涙が止まらなかった。

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2005年4月20日

シフォンケーキ・ダバダバ編

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シフォンケーキ・カテゴリーはこちら

最近シフォンのフレーバーには事欠かない。
たくさんあったはずの文旦はいつしか残り僅かとなり、私は将来のシフォン・ライフに不安を覚え始めていた。しかしそれは杞憂であった。なんと新たなフレーバーは向こうからやってきたのである。

それもたくさん!

しかもタダ!!

もぎたてピッチピチ!!!

以前母に頼まれて、母の友人の家に訪問するための文旦シフォン(正式名称:文旦マーマレード・シフォンケーキ)を焼いたことがあった。その方からお礼に夏みかんを頂いたのである。庭に生えている木からもいだ夏みかんなので完全に無農薬、そして新鮮だ。早速身を食してから皮をスライスしてママレードを作ることにした。

マレードを煮ているあいだ、映画を1本観ることにした。
最近録画したBS2の映画のリストを見ると次のようなタイトルが並んだ

甘い生活> フェリーニの皮肉についていけなさそー!
男と女の詩> クロード・ルルーシュか・・・・・・「男と女」とは違う映画なのかな?
薔薇の名前> エーコか・・・・・・ショーン・コネリーはいい演技をしているな・・・・・・もう一度観てもいいかも。
地獄の黙示録> 3時間はちょっとキツイなー。ママレードが煮詰まりすぎちゃうよ!

結局一番時間の短い「男と女の詩」を観ることにする。

ダー♪、バー♪、ダー♪、ダバダバダ♪、ダバダバダ♪・・・・・・

おっ、アヌーク・エーメとトラティニャンが映っている。これは「男と女」なのか?

アヌーク: 「お肉だけじゃ不満だったみたいね」
トラティ:  「何かたのもうか、ギャルソン!!・・・・・・部屋をたのむ・・・」

なんだこりゃ。と思ってたら、その後画面はカラーになり、刑務所内のレクレーションで「男と女」が上映されているのを服役者が観ていたことがわかるのだが、自分の映画の中に、過去の自分の作品を劇中劇に使うかね~。しかも抜き出した場面選択がちょっと・・・まあとにかくこの映画で私の恋愛観が変わるようなことはなかったが・・・。

映画で時間を無駄にしたなぁと思いながら、ちょうど良く煮詰まってきた夏みかんママレードにレモンの絞り汁を入れて味を調え、再度煮立ったところで火を止めた。そしてこれを使ってシフォンを焼いた。レシピは文旦シフォンと変わらないが、風味は異なる。レモンほど強すぎないがはっきりした酸味とみずみずしさ、それと微かな苦みのハーモニーと言ったらよいだろうか。

以前のシフォンコラムで、「『これはレモンの香りですか?』から始まる(なだいなだ氏)の著作」と書いたが、私の不十分な調査で間違い&勘違いでした。この場をもってお詫び申し上げます。真実は「白いぼうし」(あまんきみこ著)でした。冒頭の「これはレモンの香りですか?」のあとに続く言葉は「いいえ、夏みかんです」なのである。夏みかんシフォンは絵本好きのあのひとに捧げよう。今日、馬込の庭先になっている金柑(キンカン)見ながらそう思った。

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2005年4月15日

「或る女」

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私が愛読している恋愛系ブログのひとつに虚偽的恋愛生活がある。このブログはA.projectsのみみ氏によるもの。スタンダールの恋愛論」を中心に映画や時事、身の回りの事柄から恋愛を考察し、機智と諧謔に富む表現にいつもニヤニヤしながら読ませていただいている。サイド・バーには「愛るけ」、「赤と黒」、「或る女」の感想コーナーがあったりして、これもニヤニヤ。

A.projectsにはそれと対となるよしき氏のブログ「或る女<それに関する観察記録>がある。このペアのブログと彼らが取り上げる「恋愛論」がきっかけとなって、「或る女」(有島武朗)に興味を持ち読んでみることにした。

読み始めてすぐに驚いたことがある。巻末の注解がやたら詳細なのだ。主人公 葉子のモデルといわれている佐々城信子国木田独歩の元妻。独歩をモデルとした木部は物語の分岐点となる場面でたびたび登場。葉子をスキャンダル記事で追い込む田川夫人は鳩山一郎の母で、共立女子大創立者の春子がモデルである etc…明治に実在した人物達が多数登場する。「この物語はフィクションです」と断られながらもノン・フィクションのようで、好奇心をより一層煽り立てられるのである。

さて、葉子とはどんな女なのか?「赤と黒」のマチルドのような女?マチルドはスタンダールが恋していた女性がモデルとなっているが、有島も信子に恋していたのはまず間違いないだろう。有島はトルストイに傾倒していたせいか、葉子は「アンナ・カレーニナ 」に似ているところもある。新潮文庫の裏表紙には「個性を抑圧する社会道徳に反抗し、不羈奔放に生き通そうとして・・・」と書かれている箇所がある。これが書かれた1919年当時はもちろん戦後しばらくはそのような解釈で良かったかもしれない。しかし今それはそぐわない表現のような気がする。では何か?更なる上を目指す美女のためのファム・ファタル指南役?

才気あふれる美貌の女は特別な存在である。周囲の空気に緊張を与え、全ての振る舞いに意識的である。賞賛と嫉妬、羨望と欲望に曝される中、周りの者達が何を考えているのかを読み取り、どのように演出すべきなのか少女の頃より身に付けている。実の親でさえその扱いを持て余しているのを見たことがある。あまり目を合わせないで「~さん」付けで呼びかけ、「です」「ます」調の距離を取った親子の会話・・・・・・根源的な愛が不足していたりするのかもしれないが、自ら求めようとしても容易に人を信用出来ない。そのため女は愛と忠誠を要求し、才気に頼って彼を試しそれらを引きだそうとする。被験者は最初はピュアな心で女に近づいたのだとしても、長いこと吊されているうちに汚物を流しはじめる。しかしそれは女も同じで、彼の心の内が手に取るように分かったとしても、ひどい実験を繰り返さずにはいられない。自らの行いに罪を感じながらも、猜疑心はますます増幅していくのである。そして「私、今に罰を受けるわね」などとの賜ったりするのだ。

こんな風に思うのは私の経験の少なさ?偏見?
ファム・ファタルな貴女!ちょっと反論してみない?

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2005年4月12日

アトリエ圭にとっての “Beginning”

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先週の日曜日にグループ展 “Beginning” が無事終了いたしました。

本当に多くの方々にご来場いただきましてありがとうございました。先週末は「シフォンケーキをご馳走します」と宣言してしまったために、残りのほとんど無いシフォンを見ながら、閉会間際にどなたかいらっしゃったらどうしようかとヒヤヒヤしておりました。

一般の住宅を開放してギャラリーを開くというのは新しい試みでしたが、会場となったアトリエ圭は元々アーティスト・イン・レジデンス、ギャラリー、SOHOなど、様々な活動に使えるようにアトリエ付き集合住宅として計画された建物なので、オーナーの方も望んでいたような企画が実現できました。

この企画以前は、アトリエ圭の入居者同士の交流はほとんどなかったようなのですが、展覧会が始まってみると皆さん非常に積極的に “Beginning” にリンクして下さり、制作された作品も非常にレベルも高く、この企画が非常に意義のあるものになりました。

入居者の方々は、互いの部屋を往き来したり、飲み会を開いたりするような動きが始まっているようで、今後もこの交流が続いてくれたらいいなぁと思っています。更に、入居者同士の情報発信、作品発表の場となるコミュニティになり、アトリエ圭での生活がより楽しいものになってほしいものです。お互いの表現方法や手段は異なっても、この出会いによって何かしら創作欲が湧き上がり、それが作品として具現化され、世に出ていくなら、アトリエ圭の設計に携わった者として本当に嬉しく思います。

私たち Prospect Art Project の企画した “Beginning” は終わってしまいましたが、アトリエ圭の入居者にとっての “Beginning” は今から始まるって感じでしょうか?ウェブも立ち上がるようなので、今後アトリエ圭発信の企画に注目です!

関連記事:
N’s factory   http://nsart.exblog.jp/2489324
IMAIYUMI.COM  http://www.imaiyumi.com/archives/000148.php
snap dragon  http://yaplog.jp/ayano1009/daily/200504/03

※アトリエ圭は、アーティスト・イン・レジデンス、ギャラリー、SOHOなど、様々な活動に使えるアトリエのある集合住宅です。設計はスタジオ宙。私が独立前にスタッフとして働いていた設計事務所で、アトリエ圭を担当しておりました。入居のお問合せ先は(株)日商管理サービス 03-3379-7755(現在1室空いております)

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2005年4月9日

透明な恋の視線

芝川放水路の倉庫
今年初めだったと思うが朝日新聞の企画広告に内田也哉子(樹木希林の娘、本木雅弘夫人)が載っていた。昔、既に廃刊となった雑誌「太陽」で彼女は写真評を書いていて、そのときの彼女の肩書は「主婦」。誠実な文章、自分を粉飾しない姿勢に好感が持てた。新聞に載っていたプロフィールで初めて知ったのだが私より6歳も若いということがわかり、ものすごく驚いた。「太陽」で写真評を書いていただけでもスゴイのに、あれは25歳前後で書いた文章だったのだ。このひと「大人」だ。

そして先日、本屋でたまたま美術手帖を手に取り開いたページに内田の川内倫子評が載っていた。その評論の内容は要約すると「人は恋をすると世の中のものがすばらしく見える。川内の写真にはそれを感じる」というものだった。

透明な恋の視線!

誰だって繰り返し経験する常に新しい視覚世界だ。私は3月の午後の光にそれを感じていた。真冬の空気のほうが物理的透明度は高いかもしれないが、少しずつ水分を含みはじめた大気は、霞で視界をぼやけさせても、強くなり始めた陽光を甘美にやわらげても、オレンジ色の光はくっきりと輪郭を見せるのだ。そんな光に照らされるならば、工業団地を流れる直線的な放水路も、その脇の無機的な倉庫でも、特別なものに映るだろう。それに共感してくれるひとがいるならなおさらだ!

今日から倉庫シリーズです。

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2005年4月6日

グループ展 “Beginning” は今週末まで

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私も写真作品で参加しております “Beginning” ですが、今週 9日(土)、10日(日)まで開催してます。今週末は両日とも私はおりますので、お時間がございましたら是非お越しくださいませ。このブログの記事を読んで来ていただいた方全員に文旦シフォンケーキをご馳走します!

会場となっているアトリエ圭は、アーティスト・イン・レジデンス、ギャラリー、SOHOなど、様々な活動に使えるアトリエのある集合住宅です。当初はスケジュールの調整がつかなかった居住アーティストの方々もご参加いただき、空室も含め、アパートのアトリエ部分も 3室解放、1室がウィンドウ・ディスプレイをしています。中庭を中心に3層に散らばるギャラリー巡りを楽しんでいただければと思っています。ちょっと私の手持ちの写真が少ないのですが、下記のブログの関連記事に会場の様子が詳しく紹介されています。こちらも是非ご覧ください。

又、3月26日(土)に開かれましたオープニング・パーティーは、約50名の方々にご出席いただきました。おかげさまで楽しいパーティーになりました。当日DJ&ライブで盛り上げてくれた北欧系JAZZレーベル nuro の Saara, Somar & DJ Bun5さん、美味しいカレーを提供してくれたKuminSoulさん、サポートありがとうございました。

関連記事:
IMAIYUMI.COM  http://www.imaiyumi.com/archives/000145.php
N’s factory    http://nsart.exblog.jp/2426198
K+Yアトリエ    http://kyatelier.exblog.jp/m2005-03-01#1313115
aicolors diary  http://yaplog.jp/ai-colors/archive/125

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