2005年3月の記事

1 2

2005年3月31日

靖国神社のソメイヨシノ開花標準木を取材

31_1221_04

昨日、以前より楽しみにしていた開新堂でのランチのあと、桜を見に千鳥ヶ淵を散歩したのだが、まだ蕾は閉じたままであった。三番町にある戦没者墓苑には早咲きの桜があり、ここは満開ですでに散り始めていたが、花見の客は全くいなかった。九段下に近づくにつれて花見客はだんだんと増えていったが、千鳥ヶ淵のソメイヨシノは全く咲いていないので、皆途中で引き返してしまい、墓苑の早咲きの桜の存在に気がつけないようだ。ここは無料の駐車場まであるので、お暇のある方は見に行ってもいいかもしれない。

千鳥ヶ淵の端に着くと靖国神社が見えた。「そうだ、例の開花標準木を見に行こう」と思い立ち、大鳥居の下を通って参道を歩き、更に第二鳥居をくぐって境内に入った。標準木はすぐに見つかった。なぜなら大勢の報道陣がビデオカメラやマイクを持ちながらその木の回りに集まっていたからである。ちょっとおもしろい光景だったので、報道陣をバックに標準木を撮影した。しばらくすると東京気象台の開花判定担当者2名がやってきてデジカメで標準木を撮影し開花していないかを観察し始めた。どよめきとともに報道陣は殺到し、担当者のデジカメとは比較にならないほど高性能なビデオカメラで標準木をナメ始めた。一輪開きそうな蕾があったのだが、開花判定は×。そして次の標準木へ担当者が向かうと、報道陣一同も大挙して追いかけていったが、こちらも判定は×。担当者が上司に結果を報告するために携帯電話をかけ始めると、今度はマイクが殺到。「今日も開花は無しです」との報告が済むと場が少し和んで、今度は記者会見風に記者たちから担当者に質問が飛び交っていた。

二人のうち若い方の担当者がたまたま私の隣にいたので、私も質問してみた。

「無聊写記のhyodoと申します」(これはウソ)
「?」
「近頃、凶悪な犯罪や、大きな自然災害が続いております。明るいニュースを国民は待っていると思うのですが、今日も開花はまだなのでしょうか?」(これもウソ)
「??」
「先日、国会答弁で小泉首相は『参拝問題だけではなく開花判定も厳しすぎるのではないか』との懸念を示しましたが、東京気象台ではどのような議論が行われていますか?」(全くのデタラメ!)
「???????????」
「今日の開花は無しということですか?」(ここからホント)
「そうです」
「開花宣言の条件は?」
「2,3輪が咲いた状態です」
「本日また判定を行いますか?」
「今日はもうやりません。明日以降になります」
「明日は何時にいらっしゃいますか?」
「午前10時頃になると思います」

なるほど、このように開花の判定は行われるのか。この日、開花宣言には立ち会えなかったけれども、なんだか嬉しかった。

タグ:

カテゴリー:雑記 |  コメント (4) |  投稿者:hyodo

2005年3月29日

ERに癒される?

29_1168_03

今週よりNHK-BS2で待望のER Ⅹが始まった。ERはシカゴの緊急救命室を舞台としたアメリカのドラマである。

3年ほど前の土曜日のある日、夜11時ごろ仕事から帰ってきて、なんとなくテレビをつけたらERが放映されていた。以前にも何度か観たことはあったのだが、この日の私はドラマに強力に引き込まれ、疲れて帰宅したのに風呂にも入らず最後まで観てしまった。

ERには昼夜関係なく応急処置の必要な患者が運ばれくる。大抵、銃創、薬物の誤飲、交通事故などの一刻の猶予もない患者である。パワフルなスタッフたちの真剣な様子や機智ある会話、手術シーンの生々しさ等が、スムーズに移動するカメラワークによってその緊張感が現実のように伝わってくる。非常にめまぐるしくて忙しいドラマで、観たことがある人は大抵「観終わったらすっかりくたびれちゃった」と感想を述べる。

しかし、3年前の私の感想は違った。観終わったときに何ともすがすがしく心が晴れ渡り、慰められたのである。仕事で高ぶっていた気持ちは落ち着き、風呂に入ったあと熟睡することもできた。その頃仕事が私の心身を非常に圧迫していたので、私よりも多忙で、私生活でも難題を抱えているERの登場人物たちを観ていたら、「僕の抱えている問題などたいしたことないな」と思考を切り替えることができたのだ。それから土曜の夜は仕事から帰ってくるとテレビをつけ、ERから精神安定剤の処方を受けた。ますます仕事が忙しくなってくると、ビデオに録画して治療を続けた。そんなわけで私はERに癒されたのである。

ひとつ気に入らないことがある。ERのスタッフたちは勤務時間が決まっているので、交代の時刻が来ると代わりのスタッフに引継ぎをして家に帰れるのである。私の場合はそうはいかない。建築設計は終わりが無いので、結局深夜まで仕事をしてしまうことになる。でも、まあ今後も精神安定剤の処方をお願いすることにしよう。

※キルギスが政変による混乱が報道されているが、先ほど首都ビシュケクの友人より連絡が入った。一応収束に向かっている様子。良かったぁ!

タグ:

カテゴリー:映画 |  コメント (6) |  投稿者:hyodo

2005年3月24日

シフォンケーキ・ラヴ・アフェア編

24_0613_02

シフォンケーキ・カテゴリーはこちら

私は浮気性かもしれない。長続きしない。すぐに飽きる。しかも新しもの好きだ。読者が期待するようなコトではない。シフォンに入れるフレーバーに関してである。これまでレモン、柚子、ショコラと華麗なる甘い遍歴を重ね、最近は「文旦」にとって変わった。

そもそも私は浮気をしたことがない(本当である)。これからもしないであろう(と自分に釘を刺しておく)。でも心変わりはあるかもしれない(と逃げ道を作っておく)。といっても今、浮気が成立するような環境に無い・・・・・・今年は是非そのような「環境」のアセスメント・プラン・メンテナンスをしたいものだ。誤解無きよう申し上げるが、「浮気がしたい」という意味ではない。「パートナーがいるといいな」と言っているのである。全然関係ないが、スギ花粉の飛散量を測定しているのは気象庁ではなく環境省らしい。

さて、私の新たなる仮の恋人「文旦さん」は夏みかんとグレープフルーツを足して2で割ったような感じの柑橘系果物である。色はグレープフルーツ色。形はヘタの部分が少し尖がっている。果肉は夏みかんより八朔(はっさく)に近い。酸味が強いので酸っぱいときもある。高知産が多く、全国の生産量の約80%を占めるらしい。私の家では4年前から毎シーズン1箱送ってもらっている。農薬の使用が十分配慮されているので、皮をスライスしてママレードが作れるのだが、大変そうなので昨年まで作ったことがなかった。今年はなぜか作る気分になり、しかも大量に夜な夜な煮てお世話になっている人に配り歩いている。3kgほどあった砂糖はすぐに底を付き、先日2kg買い足したほどだ。

その文旦ママレードを使ってシフォンを焼いてみた。ママレードシフォンは赤堀レシピ(しっとりシフォンケーキ、赤堀博美 著、別冊家庭画報、無聊ブックス参照)によると砂糖、サラダ油、水の分量がプレーンシフォンとだいぶ異なる。かなりの量のママレードを入れるので、砂糖は少なめ、サラダ油は多めで水は少なめである。文旦ママレードシフォンを初めて作ったとき、いつもはメレンゲを泡立てる段階でオーブンを予熱しはじめるのだが、先程の「環境」だの「アセスメント」のことを考えていたので、すっかり忘れてしまった。メレンゲが完成してから予熱したので、メレンゲは崩壊し始めたが、焼き上がりはまあまあだった。

翌日、ふらっと大学の友人が本を取りに我が家に立ち寄ってくれた。文旦シフォンとミルクティーをご馳走した。「あー、これが例のシフォンね?旨い!しっとりしていて。何が入ってんの?」あまり食べ物の感想を言う友人ではないので、私はその言葉に満足した。

ところでシフォンコラムの連載第1回目から赤堀レシピでシフォンを焼いている。全く他のレシピにブレていない。一途である。結構長続きしている。飽きずにやっている。ということは私は浮気性ではないのだ。証明終わり!

BGM “Everlasting Love” THE LOVE AFFAIR

タグ:,

カテゴリー:シフォンケーキ |  コメント (11) |  投稿者:hyodo

2005年3月21日

ねがひごとかなふ

21_1279_02

先日、平日散歩クラブの仲間と西新井大師周辺を歩いた。雨の日の大師は人がまばらで、初詣にしか行ったことが無かった私は「こんな静かで落ち着いたところだっけ」と思ったりした。ちょうど梅が見ごろで、かすかな香りが鼻腔をくすぐった。お参りを済ませた後で、おみくじを引いた。

なんと大吉であった。何年ぶりだろうか。読んでみると「おもいのまゝに何ごともかない、何のさまたげもなきのみならず・・・其他すべてよろし」ホントかね。俄かに信じがたかったが、翌日、無聊仲間のカフェバグダットさんのブログをみると、

『師岡カリーマが語るアラブ音楽』

という記事が目に飛び込んできた。読んでみると、

『・・・なお、カフェバグダッドでは、来る6月12日(日)午後、師岡カリーマさんをゲストに招き、映像トーク・イベント「師岡カリーマのアラブ音楽入門」を開催します。詳細は、近く案内しますので、皆様、ご期待を』

なんだって!ということはこのイベントに参加すれば私の大好きなカリーマさんにお会いできる、少なくとも間近でご拝顔させていただけるということである。

私は早速、以前お誘いいただいた某コミュでカフェバグダットさんに問い合わせると、ご本人が乗り気とのこと。私の願いはほぼ叶った・・・・・・おみくじ恐るべし!

※カフェバグダットさんは、私が以前「恋するアラブ人」の記事を書いた時、トラックバックさせていただいた方で、アラブに関する情報が豊富なブログサイトです。

※師岡カリーマ・エルサムニーさんはNHKアラビア語会話の美人講師です。

タグ:

カテゴリー:雑記 |  コメント (8) |  投稿者:hyodo

2005年3月15日

ただいま猛勉強中!

15_0616_05

久々の更新です。先週仕事の区切りがついたので、「よし!ブログの記事に専念しよう!!」と思っていたのですが、確定申告をしなければならないし、グループ展 Beginning の作品のことを考えたりで、ちょっと更新の間隔があいてしまいました。

また、私の事務所のHPもなんだか中途半端な内容だったので、「何とかしなくては!」と思いまして、HTMLとCSSを週末に勉強して、テキストエディタで全部最初から書き直しました。以前より少しは親切な構成になったと思います。

それまでは「ホームページビルダー」という人気のウェブ作成アプリケーションを使用してテキトーにウェブを作っていたのですが、CSSを効率的に使う方法がよくわからなかったので、簡単なページの割りに長~いHTMLになってしまうのが気になっていました。そこで、HTMLとCSSのリファレンスを本屋で買ってきてテキストエディタで組むことにしました。初めてのことでしたが、2日間で大まかには理解できたつもりでいます。多分「ホームページビルダー」では2日間では逆に操作方法の習得に手間がかかって出来なかったかも・・・結局GUIで簡単に出来るとは行っても、HTMLにはどんな要素や属性があり、CSSのセレクタを知らなければ、日常英会話も出来ないのにいきなりビジネス英会話から勉強するみたいなもので、身に付かないようです。

しかし、今のようなページ構成だと、ページ数も膨大になってしまい、今後写真を増やしていくのが大変です。そこで JavaScript に挑戦して、動的なHTMLを組んでスマートにしようと思ったのですが、ワイルドカードを使用したファイル操作や任意のファイル情報を得ることが出来ないようなので、膨大なページ数になってもいいからBasicでHTMLファイルを自動生成するプログラムを組もうと思い立ち、Visual Basic でも買おうと思って値段を調べたら2万円もするので、他に何かないか探していたら、Java はタダであることを知り、早速ダウンロードしました。Java と JavaScript が異なるものだとはこのとき初めて知りました。

で、ただいま猛勉強中です。仕事より熱中してます。週末も明け方までやってしまいました。レンタルサーバの容量は1GBもあるので、無聊写記で発表した写真も解説付きでまとめたいと思っています。

カテゴリー:雑記 |  コメント (6) |  投稿者:hyodo

2005年3月8日

不安と悩み、マイナス感情のエネルギー

08_0814_04

昨夜、NHKのクローズアップ現代を見ていたら、「ブンガクに異変アリ!?」というタイトルで10台から20台前半の若手作家の台頭を特集していた。阪神淡路大震災・サリン事件・9.11テロなどの不安や、若者が将来像を描き難い時代であるが故の悩みなどが、彼らが登場してきた背景ではないかというのである。

ずいぶん昔ある悪友が「悩みとは進度の過程である」なんて言っていやがったっけ。「喜びなどの感情より一段レベルの高い感情である」という彼の考えに反感を覚えながらも共感した。「不安や悩みは、ある事を改めたり、新しく産み出したりする力である」と彼はまとめた。

やはりずいぶんと昔、あるひとにすすめられて「8・1/2」を観た。フェリーニの分身と思われる映画監督の主人公グイドはスランプで新作の進行がうまくいかない。妻ルイザを撮影の現場に呼び寄せても、乞食女サラギーナのことを思い出しても、幻想の少女クラウディアに出会っても映画の構想はまとまらず結局クランク・インできない。フェリーニは「私の映画は、私の内なる『不安』と『悩み』から産み出されている」と言っているのだと思う。

不安と悩みはどうやらプラス思考のようである。

私が今でも時々読み返すマンガに「星の時計のLiddell 」(内田善美)がある。

ロシア人の血を引く主人公ウラジーミルと環境保護運動をしている日本人留学生 葉月との会話の中で「45億の不安」という言葉が出てくる。(このマンガが描かれた当時の世界人口は45億人であった)「こんな巨大なエネルギーが何かを生み出さないはずはないわ」と葉月は言う。急激な人口増加と環境変化は食料問題より先に人の精神をダメにするだろう「かくれた次元」(無聊ブックス参照)によれば、生物の個体間距離が接近しすぎると、食料が十分にあってもストレスが生じて大量死を起こす。次世代の環境では、過密による生命維持に支障をきたさない遺伝子レベルでの「新しい精神」の誕生が必然であると葉月は考えている。

ここまで来ると、不安と悩みのエネルギーは怖いなぁ。

タグ:

カテゴリー:雑記 |  コメント (7) |  投稿者:hyodo

2005年3月3日

私のボサノバ黎明期

03_1231_0002

昨日、地元の図書館に立寄った。落語のCDでも借りようと思って棚を眺めていたら「ワールド」の項目のところに小野リサによるエレンコボサノバ選曲集が目に入り手に取った。1990年MIDIから発売された「BOSSA NOVA SELECTION 小野リサが選んだエレンコ・レーベル名曲集」である。とりあえず借りることにした。

私はボサノバをこよなく愛聴する者である。かれこれ14年ほどになる。それまでも、アストラッド・ジルベルトやアントニオ・カルロス・ジョビンはCDを持っていたが、はっきりとボサノバを意識したきっかけは、ある友人の車(紺色のブルーバードだったと思う)の中で聴いた J-Wave のボサノバの特集番組をエアチェックしたカセットテープだった。これを聴いた時、初めてボサノバというジャンルが私の中で形成されたのである。

ちょっと記憶が曖昧だが、そのテープの選曲はこんな感じだった。

番組テーマ曲は”THE GOOD LIFE” Gary McFarland
選曲の順番まではわからない。

“DON’T GO BREAKING MY HEART” Roger Nichols & The Small Circle of Friends
“WHO NEEDS YOU” Claudine Longet
“恋はボサノバ” Eydie Gorme
“SEASIDE WEEK END” Isabelle Antena
“CALL ME” Chris Montez
“TRISTE” Cybill Shepherd
「おいしい水」Pierre Baroub
“LA MADRAGUE” Brigitte Bardot
“THE WHOLE POINT OF NO RETURN” The Style Council
「ジャマイカの月の下で」Nick Decaro
“WHAT IF” Jane Kelly Williams
“CHERIE” G-Race
“SECRET CODE” Kevyn Lettau, Peter Sprague & Michael Shapiro

その他 Joyce, Astrud&Joao Gilberto, Antonio Carlos Jobin, Serigio Mendes ’66, Laurindo Almeida, Walter Wanderley, Nara leao, Everything But The Girl などが入っていたのだが、当時既に所有していたのであろう、このテープでの選曲はまったく思い出せない。

こうして並べてみると、たまたまボサノバっぽい歌を歌っている歌手が多いだけで、「これがボサノバ?」と疑問を抱くような曲もある。バルドーやロンジェ、ゴーメはアイドルだし、A&M や CREPUSCULE はいおしゃれサウンドレーベルで、EBTGやスタカンはオルタナティヴだ。オルタナティヴは当時 NEW WAVE と呼ばれていた。そしてボサノバとは『新感覚』というような意味だそうである。

これらの曲は Cafe Apres-Midi でもほぼ全曲取り上げられていると思うので、若い人でも聴いている方も多いであろう。今でこそ、もう買い続けるのが大変なくらいの枚数の復刻盤が出ているが、当時最大規模のレコード店であった六本木WAVEのラテンコーナーの一部にボサノバが置いてあるくらいだった。

今でも、ボサノバはよく聴く。感情を押し付けてこない、落ち着いた、主張しない雰囲気が好きなのである。今好きなのは Naomi & Goro, Quarteto Em Cy のカワイイ系ボサノバかな。

カテゴリー:音楽 |  コメント (7) |  投稿者:hyodo

2005年3月の記事

1 2