2009年5月20日

なかなか使いやすいUSBレコードプレイヤー

USBレコードプレイヤー AT-PL300USB

USBターンテーブルを購入するに至るまで
事務所の棚の一角を占めるレコードを処分しようと決心し、どこに売るのが一番お得なのか?ネットを調べたり、友人に尋ねたりしていたのだが、せっかく集めた音源なのでただ処分するのはあまりに寂しい(惜しい、悲しい、無念?様々な感情が入り混じる)ので、せめてジャケの写真は撮っておこうと、200枚ほどをホワイトスチレンボードを背景に、和紙スクリーンで室内に差し込む光を拡散させて、1日がかりで撮影した。1枚1枚はたきで埃を落としてから撮影し、ジャズ、ジャズ・ボーカル、ボサノヴァ、サントラ、オルタナティヴ・ロック(昔は New Wave と言われていた)、60’s と売りやすいようにジャンル分けもした。そうして撮影したジャケ画像をPCでスライド・ショーにして眺めていると、ジャケ全体のデザイン・コンセプトが明快に見えてくると同時に、手に持って眺めるときには気がつかなかったオーラとも言うべき経年変化がなぜかデジタル画像は写しだしていることに気が付いた。複製技術によって生まれたレコードは量産されることによってアウラを喪失しているはずだが、個人の手に渡った後は「時間と空間が縺れ合って、(中略)一回限りの現象」(ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』)がオーナーとレコードの間に生じるのかもしれない。・・・・・・といった感じにセンチメンタルに浸りながら哲学する自分を楽しんだし、さっさと売ろう!と決心してみるのだが、ジャケ画像を眺めていたら音も聴きたくなってきたので、ターンテーブルを買ってPCに録音してからレコードを売ることにした。

レコードプレイヤーを選ぶ
父からもらったテクニクスの SL-1200(初代!)を持っていたのだが、10年ほど前からレコードを買うことはなくなり、更に5年前にフォノアンプが壊れからレコードを聴いていなかったこともあり、昨夏に事務所を改装した際に SL-1200 は処分してしまった。なのでレコードを聴くためにはターンテーブルを新規購入しなければならない。「今どきレコードプレイヤーを買う人なんているのかな?」と思いながらアマゾンを検索してみると、驚くことにかなりの種類の製品がある。SL-1200 は Mark6 が出ているし、Vestax、ソニー、デノンなども継続して製品を供給している。売れ筋は、1万円前後のフォノアンプ内蔵の安価なプレイヤーで、ラジカセなどのAUXに接続すればフォノアンプが無くても聴くことができる製品である。このランクの製品にはPCへの録音が手軽なUSB接続できる製品が最近出てきている。僕の PC にはミニジャックの内臓サウンド・カードしかないが、フォノアンプやオーディオ・カードまでそろえるつもりはなかった。①手軽に録音でき、②低性能と思われる内臓サウンド・カードを使わないで、③しかも安価に機材や録音ソフトをそろえることができる、ということを考えて USB 接続可能なプレイヤーで一番安価なオーディオ・テクニカの AT-PL300USB(購入時¥15,761)をアマゾンで購入した。他の同様な機能の製品としてソニー PS-LX300USB(2万円強)がある。

実際に使ってみて
初めてフルオートプレイヤーを使ったのだが、"START"ボタンを押すだけでアームが自動的に動き、カートリッジがレコードにダウンするので、それだけでレコードを掛ける手間がかからず結構手軽に聴ける。使い勝手が良いので「全部処分するのは止めて、いらないレコードだけ売ることにしよう」と心変わりした。PCへの録音は付属の録音ソフト「Audio Creater LE」で行うが、操作は簡単。この手のソフトを使うのは初めてなので、機能や使い易さが他の製品と比べて優れているのかどうかはわからないが、僕には十分のようだ。録音したデータはレコードのA面B面ごとに wav データで保存している。wavで保存している理由は、①後々曲ごとの切り分けなどの編集作業をする気になったときに、録音データは非圧縮であった方がいいだろうということと、②非圧縮なのでデータサイズは大きいが、録音するレコードは150枚程度なのでハードディスクを圧迫することはないからである。「Audio Creater LE」は mp3 データへの保存は限定的で、ユーザ登録後1カ月間しか mp3 エンコーダを使用することができない。継続的に使用するユーザは約2000円でmp3エンコーダのシリアル番号を入手することができるのだが、そんなケチなことはやめた方がいいと思う。というのは mp3 エンコーダはフリーソフトも入手可能なようだし、iTunes ユーザなら AAC エンコーダで wav データを m4a データに簡単に変換できるので、安価なレコードプレイヤーでしかも USB接続可能な製品を買うようなユーザがわざわざ有料オプションの mp3 エンコーダを購入するとは思えない。このような有料オプションはユーザに悪い印象しか残さないのではないだろうか?(と少なくとも僕は思う)

その他気がついたこと
録音するとなるとレコード表面の埃が気になるので、レコードクリーナーも買った。プレイヤーのメーカーと同じオーディオ・テクニカの製品で「レコードクリニカ AT6017」。静電気の発生しにくい湿式で、キレイに埃が取れオススメ。

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カテゴリー:コンピュータ, 音楽 |  コメント (3) |  投稿者:hyodo

コメント


dorami

えー!こんなのあったんですかっ
すごーーーい!!

2009年5月20日 @ 6:05 PM

義兄さん – おはようございます。
僕はアナログ音源にUSBを絡めないで生きてきたのですが、そろそろ改心したほうが良いのかなあ、とさえ思わされるエントリでした。
ところでエンコーダが1ヶ月しか使えないとのことですが、そもそも Audio Creator というのは別の会社の製品なんです。バンドルの製品というのはたいてい機能が制限されているのですけども、その制限を1ヶ月間は解除したような感じなのです。
確かこのソフトはドラッグ&ドロップでたくさんのファイルをまとめて変換できますよね?
便利ですなあ。うらやましいですなあ。

2009年5月21日 @ 8:15 AM


hyodo

doramiさん、今でもレコードプレイヤーは新しい機能を考えて作られていることには驚いてしまいますよね。CDプレイヤーの方が先に無くなったりしてね。
ダタシ君、元気?近々伺いたいと思います。ドラッグ&ドロップ、後で試してみます。Audio Creator LE は思っていたよりずっと多機能なので、オンラインマニュアルをキチンと読んだ方がいいみたいですね。曲の分割やホワイトノイズの除去などのコツを今度教えてください。まだちゃんと調べてはいないのですが、波形データから何の曲か教えてくれるデータベースもあるみたいですね。

2009年5月21日 @ 5:03 PM

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