2005年12月13日

たまゆらの女(ひと) その1

1213-1176_05.jpg

「最近観た映画で面白かったのは何?」

久しぶりに会う友人と一通りの身辺報告の後、こんなを質問された。彼女は体調を崩していたので、私と映画の話をやり始めたら熱くなって疲れてしまうだろう。それならば穏やかな内容のタイトルを言えば良かったのかもしれないが、そうは答えずに『たまゆらの女』と答えた。観ていれば何か話してくれるだろうし、観ていなくても私があらすじを話せばきっと気に入るだろうと思ったからだ。

「どんな話?」
「遠距離恋愛もの」
「昔の私みたい。それともあなたかしら。どのくらい離れているの?」
「列車で10時間。それを週2回、女の方だけが通うんだ」
「私は5時間だった。あなたは?」
「7時間。でも月1回だったな」
「今じゃ無理!でもいいなぁ!ほら、乗り物に乗っていた時間が長いほど想いが凝縮されて相手に向かっていく感じ!」
「あまり思い出せないけど・・・・・」
「あらら古傷ほじくっちゃった?でも、なんでそんな難しいやり方を選んでしまうのかな?」
「選んだ訳では無いんじゃないかな?確かに若いころは困難な愛にあこがれるところもあるけど」

「でも、一緒に暮らさないことは良くないことなんじゃない?そんな生活をしていたらそのうち身体を壊してしまうし・・・・・」
「実際、映画の中の女も倒れてしまうんだ」
「やっぱり!」
「でも、これをきっかけにもうひとつの愛が始まっちゃっうんだな・・・・・」
「美人なのね。その女の役は誰?」
「コン・リー。知ってる?」
「知らない」

「陶器の絵付師の役なんだ。なんとなく小雪に似ている。ショートヘアの役の時は山口百恵っぽい」
「ちょっと生意気な感じ?」
「そう、こましゃくれた感じ。そして恋人役はレオン・カーフェイ、詩人の役」
「詩人?誰?」
「ほら、『愛人(ラマン)』のジェーン・マーチの相手役」
「あぁ・・・・・。この映画もあんな感じなの」
「ある意味では。似ているシーンもあるね」
「たとえば?」
「縦格子から夕日が差し込む部屋の中で情事に耽けるふたりにショロンの雑踏の騒音が重なる『ラ・マン』のシーンと、詩人の部屋で情事に耽るふたりに火車–中国の特急列車のことだよ–の騒音と車窓の風景が重なる『たまゆらの女』のシーン」
「なんでそういうシーンは細かいところまで覚えているのかな」
「興味無い?良いシーンだし、どちらもすごく凝ったカットだから必見だよ」

(つづく、と思います)

今日の写真
新宿御苑。昨年の今頃か、もう少し後。冬もいいものですよ。

タグ:

カテゴリー:映画 |  コメント (0) |  投稿者:hyodo

コメントをお寄せください。

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URI» http://www.hyodo-arch.com/buryoshaki/archives/128/trackback