November 30, 2004

来年の年賀状

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そろそろそんな季節ですね。事務所のウェブのPHOTOコーナーに21世紀以降の年賀状をアップしました。毎年ご好評を頂いております私の年賀状ですが、2005年もかなりクールです。ご希望の方は年賀状専用メールアドレスpostcard@hyodo-arch.comまで住所・氏名をご連絡ください。

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November 29, 2004

宇宙のBGM

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昨夜、N響アワーを見ていたら、我が敬愛する学問と製菓の師匠、毛利衛さんが出演していた。彼はスペースシャトルの中で、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴いたと話していた。彼がハイビジョンカメラで撮影した映像のバックに、ヨー・ヨー・マの演奏する第1番プレリュードが流れた。神の視界と理性の旋律という組み合わせは、なんとも魅惑的で、博愛的な環境問題の意識など押し殺されてしまう。

その無伴奏チェロ組曲だが、ちょうどCDを友人と仙台にいる父に貸してしまっている。彼らは聴いているだろうか?

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November 28, 2004

近い入口

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今回の写真のテーマは「近い入口」。単にドアだけでも魅力的な被写体だけど、隣り合う入口の向こうはどうなっているのだろうか?なんだかとても秘密めいていて、私の妄想を掻き立てるのだ。

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November 27, 2004

奇跡のカレー

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私が以前所属していた設計事務所では、スタッフが持ち回りして、夕食を人数分調理していた。ある日、私たちはコンペの〆切で忙しく、夕食を調理する余裕がまったくなかった。そんなとき、私たちの上司にあたるEさんが料理してくれることがよくあった。私は彼が冷蔵庫からゴミのような野菜を取り出してテーブルの上に並べているのを横目で見ていた。キャベツの芯、シナシナのレタス、干からびた人参、たくあんのようになった大根、半分にカットされた芽が出ている玉葱etc、とにかくひどいクズ野菜ばかりで、量も少く到底全員の分はなかった。彼は米を炊き、カレーを作ってくれた。

私たちは一瞬手を休め、カレーを食べた。あの材料でカレーが調理されたことも信じがたかったが、この旨さは奇跡だった。カレーの量は米の量と比べると少なかったその分味付けが濃くなるようにスパイスがバランスよく調合(この事務所ではカレー、ソース、焼肉のタレなどは原則自分たちで、醤油や酒、スパイスなどを調理調合して作っていた)されていたのだろう。ただそれだけかも知れないが、食事が出来るまでのコンテクスト、スタッフの精神状態、Eさんはそういったことまで配慮して作ってくれたのだ。本当にあの時のカレー味は忘れられない。

昨日、友人はカレーの話をした。クズ野菜の話もしていたと思う。夕方彼女を駅まで送った帰りに、スーパーで挽肉を買い、家にあった玉葱とでカレーを作った。それを食べながら、私はあの奇跡のカレーを思い出して幸福な気持ちになるのだった。

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November 26, 2004

兵藤善紀建築設計事務所HP開設!

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本日、ようやくホームページを開設致しました。まだまだ、手直し、追加が必要ですが、事務所紹介程度の機能はあると思っています。HPのご意見をお寄せいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
ホームページへ--->http://www.hyodo-arch.com/

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November 24, 2004

シフォンケーキ茶道編

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実は私、茶の心得がある。日曜日に行った淡交会のお茶会では、正客を務めた方に、今度私の茶室に遊びに来るようお誘いを受けたくらいある(茶名を持つ友人N氏と一緒にいたので、オマケで誘われただけ)。本当は、今月からお茶の稽古に通い始めた、極超初心者である。

先日のお稽古で、シフォンケーキの技術がお茶を立てる際に役に立った。茶筌でお茶を立てることはメレンゲの泡立てに似ている。お辞儀の仕方を何度もやり直しさせられていた私だが、今回は先生に褒められた。

「hyodoさん、初めての割りはお茶筌の扱いがお上手ですよ」
「先生、私、シフォン道を修めておりますので」
「?」と先生。
N夫人がフォローしてくれる。
「先生、hyodoさんに先日シフォンケーキをいただきましたんですのよ」
他の生徒さんたちが、
「あ、メレンゲを手で泡立てるの大変ですよね。なるほど」と納得。

褒められていい気になった私は、茶会には絶対にシフォンを出そう、趣向はこうしようと、妄想を巡らせていた。

床の軸には「メレンゲ一日不成」の墨跡。(誰の筆かは不明。ただしhyodo極書付)軸は麺捧。お花はレモンシフォンなのでレモンの花。花器はシフォン型。水が少しずつ漏れるが、その下の板(名前がわからないほど初心者なのでお許しを)が適度に濡れて良い。お菓子のシフォンはホールのまま出す。正客はそこに円相を見いだし、私が只者でないことに気が付くに違いない。

そして、おそらくお茶の後には、次のような会話が交わされるであろう。

「あの大変すばらしいお軸はどのような意味ですのかしら?メレンゲを私存じ上げませんもので・・・」
「メレンゲとは宇宙のことです。万物斉同です。それは広大で深遠な世界で、泡宇宙論でさえ説明できない、人智を超えた仏の世界です。(シフォンケーキ宇宙編参照)」
「先刻いただいたお菓子は?」 「自家製のレモンシフォンでございます」
そこで正客は床にあった花器がシフォン型であったことに気が付く。
「おシフォン型は?」 「全アルミ製径17センチでございます」
「大変由緒のあるものとご推察しますが?」
「この度祖母より継いだアメリカ製なのでございます。シフォンの祖ハリー・ベーカーが使っていたものが代々我が家に受け継がれきたのです」
「お茶入はずいぶんと大きなものでございますね」
「はい、これは元々国産スーパーバイオレットの入物でした」
「おゴムへらは?」 「シリコン製でございます」(なぜゴムへらが出てくるかは不明)
「お銘は」 「淡(泡)雪でございます」(外は雪が降っている)
「大変結構なお品を拝見させていただきありがとうございました」
「大変おいしゅうございました」
「本日はお越しいただきましてありがとうございました」

と、こんな感じである。是非大勢の方をお招きしたい!

(今回で自転車シリーズはおしまい。次回新シリーズをご期待ください)

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November 23, 2004

むずかしい愛

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カルヴィーノの小説。1ダースの愛の冒険。1番好きな話は「ある夫婦の冒険」。昔「ボッカチオ」のようなオムニバス映画で見たはずだが、キネ旬DBでは見つけられなかった。今、たまたま小説を手に取って読んだら、急に観たくなった。誰か教えてください。

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November 22, 2004

クリスマスインスタレーション

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12月に参加するグループ展で、私は写真の出品のほかに、会場のインスタレーションをすることになった。グループ展のテーマがクリスマスなので、それをシンプルに表現するつもりである。もう世の中はクリスマスに向けて動いている。私がこの時期からクリスマスのことを考えたのは初めてだ。

予算があまりないので、協賛していただける方を探していたが、見つかった。私の高校時代の先輩が経営している田口巧芸さんである。偶然、私のクライアントから看板文字の相談を受け、田口巧芸さんのところへ打合せに行ってきたばかりだったのだ。私は例のごとくシフォンケーキ持参でお願いに伺った。そして快く材料を分けて下さった。この場でもお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

グループ展についてはこちらをご覧ください。

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November 20, 2004

自転車の写真

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今日は、ブログの写真の説明。自転車シリーズは散歩の途中で気になったもの。自分でも驚くほど撮っていた。無機物だけど以外に表情がある。

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November 19, 2004

草間彌生のデミタスカップ

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ときどき、エスプレッソを入れる。カフェ・ナポリターナで入れる。豆はカルディーのアイスブレンド。確か200g430円。確か豆を挽く粒度は5番。火にかける。お湯が沸く。ポットをひっくり返す。お湯がフィルターを通る。コーヒーが落ちる。全部落ちる。ポットに溜まる。草間彌生のデミタスに注ぐ。
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ある日、母から携帯に電話がかかってきた。
「もしもし」
「あんた、ちょっと」と母。
「どう思う?」
「何が?」
「コーヒーカップ!」
「何?今ね忙しいんだけど」
「草間さんの」
「何のこと?」
「あるのよ」
「・・・・・」
「1脚3万なんだけど・・・」
ようやく話が飲み込めてきた。そこでたずねる私
「で、エディション付いてるの」
「エディション?150脚限定でちゃんと番号がついてるのよ」
「そう、だからそれのこと。それがエディションだって」
「それでね今3種類あるの。どれにしようかしら?」
「さあね。全部買えば」
「そうね。そうよね、そうすればいいんだわね」電話切れる。

そうして母は本当に全部買ってきた。
それらは白地に赤い網目のカップ、黒字に白玉すだれのカップ、黄色地に不規則な黒水玉のカップの3脚であった。
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デミタスに砂糖をたっぷり入れる。ちょっとだけかき混ぜる。少し飲む。全部飲む。溶けかけの砂糖がカップの底に溜まっている。スプーンですくう。なめる。これが旨い。

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November 18, 2004

オレの勝負服!!

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私はひとり寂しく建築設計の仕事を自宅でしている。その場合の仕事着(と言っていいのかどうかはわからないが)は、襟付きのシャツにアウトドア系のパンツである。シャツは極めて普通であるので、ここではあまり取り上げないことにする。問題はパンツである。なぜアウトドア系かというと、大抵、腰紐やベルトが一体となっておりベルトを通す必要がなく、椅子の上で片足だけ正座したりあぐらかいたりするのに、動きやすいからである。ただし見栄えはあまり良くない。そのパンツの中にグレーのクライミングパンツがある。素材が合成繊維なので、軽く洗濯してもすぐに乾く。私は結構気に入っている。

独立する前に勤めていた設計事務所に行くときもそのクライミングパンツを穿いて通勤することがあった。その日、私はグレーのMUJIのシャツとそのパンツで、上下ともにグレーという出立ちだった。私より若い女性スタッフ2人にその服装について指摘を受けた。

「hyodoさん、その服装相当ヤバイです」
「え?そう?どうせ一日中事務所だからいいじゃん」
「でも、出会いがあったらどうするんですか?」
「絶対にない」
「出会いはなかったとしても、知り合いの女性に会うかもしれませんよ」
「それもない。今日もひとりも会わなかった」
「どうやら私たちは女性じゃないみたいね・・・」
私は形勢の不利を感じ、その場を取り繕おうとした。
「これがオレの勝負服なの!」
ことばを発したとたん、更に落ちていくのを感じたが、もう手遅れだった。「勝負服!」「勝負服!!」それ以降そのパンツを穿くたびに馬鹿にされるようになった。

独立後すぐにヘアサロンの店舗設計をする機会があった。工事が無事終わり、開業前の準備を手伝いに行った。私は軽トラックでプラチナ通りのその店に乗りつけ、荷物の上げ下ろしをした。店内にはWさん夫婦のほかに女性スタッフが2人いた。みんな小奇麗な実にヘアスタイリストらしい服装で、シャンプーやカラー材などの色鮮やかなパッケージを運んだり、並べたりで忙しそうだった。荷物の搬入が終わり、W氏は私をスタッフに紹介した。
「えーと、この人がこの店のデザインをしてくれたhyodoさん」
「えっ?(運送業者か引越し業者かと思ってた)」と聞こえた。彼女たちはそれまで、私に荷物を置く場所を指示していたので、少しバツが悪そうだった。ようやく同じ立場の人間として扱ってもらえた。その日も私はグレーのMUJIのシャツと例のパンツという格好だった。

サリンジャーの「ゾーイー」という小説の中で、ゾーイーの母親ベシーが着ているキモノの家庭着の描写がある。キモノなのに特大ポケットが付いていて、更にその中には煙草、金槌、ナイフ、蝶番などがはいっており、とにかく見苦しい。それを何とか捨てさせようと、娘たちが画策したりもしたが、未だにそれは実行に至っていない、という場面のことである。

先日、この小説を読んで、大いに共感するところがあった。私はベシーとそのキモノを応援し、未来永劫を祈った。しかし、もう少し服装に気をつけたほうがいいかもしれないと初めて思った。

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November 17, 2004

ベルリン・天使の詩

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昨日もう1本ヴェンダースを観た。「パリ、テキサス」が映像主体に構成されているのに比べ、こちらはことばをひたすら紡ぐといった感じである。延々とささやくように語られるドイツ語を字幕で追うのは辛かったが、書きとめたくなる様な台詞が数多くあった。母と観ていたので、いちいち書きとめなかったが、それでもいくつか覚えているのを揚げてみると「人間いちどは真剣になる」とか「満月でなく、新月の日に決める」などなど、心に響くことばで溢れている。

もちろん映像も良い。図書館、ベルリンの壁際、軌道の下、サーカスの広場など、ロケ地選定のセンスが、今の若手風景写真家に影響を与えているだろうし、空中ブランコの女の寂しげな様子はホッパーの絵のようだ。

他にもいろいろと楽しめた。ニック・ケイブが出演。歌っていた。若い。夏にペテルブルグに行った時にオクチャープリスカヤ近くの劇場でポスターを見かけた。「まだ活動しているんだ、しかもロシアでライヴなんて」と思ったが、今、HMVで調べてみると、コンスタントに活動しているのだった。コロンボが出演している。カサヴェテスの「こわれゆく女」を見たときにシリアスな役を演じるピーター・フォークに驚いた記憶がある。ここではピーター・フォークとして出演し、撮影のためにベルリンを訪れているという設定である。安次郎、フランソワ、アンドレイに捧げると最後に字幕が出た。アンドレイ・タルコフスキー?実は観たことない。今度観てみよう

更に何かないかと思ってキネ旬DBを調べてみると、ちょっとした発見があった。「東京画」はヴェンダースっだったんだ。なるほど小津リスペクトの理由がわかった。主役の天使役ブルーノ・ガンツはこないだNHK-BSで観たアイルランド映画「春にして君を想う」でも天使役を演じていたっけ。などなど、ブログのために少し調べてみて勉強になった。

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November 16, 2004

パリ、テキサス

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ヴェンダース、1984年。以前「WRITTEM IN THE WEST」というヴェンダースの写真集を青山のABCで見かけた。私は一目で気に入ってしまったが、その場で買わずにメモして Amazon で注文した。安く買うことが出来たが、その結果、ABCは倒産した。すまないことをした。ABCは再スタートしたようなので、これからはABCで購入しようと思う。

その後、その写真集は「パリ、テキサス」のイメージ集であることを知る。仕事の先輩からはたびたび薦められていたが、忙しくてなかなか見る機会がなかった。先日近所のレンタルショップで見かけたので借りてみることにした。

美しい映像に引き込まれ、あっという間に時は過ぎた。舞台は乾燥地帯だと思われるが、「青いパパイヤの香り」や「花様年華」を観たときのような湿度を感じた。小津のカラー作品も思い浮かべた。どのカットもきまっている。何度も観ることが出来る映画とは、プロットが単純で意識させない、情感や映像の印象が残る作品だ。この映画はそういう作品だと思う。出会えて良かった。

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November 15, 2004

ティルマンスのコンコルド

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先週、ヴォルフガング・ティルマンスという写真家のインスタレーションを観た。スタジオヴォイス誌等で繊細な印象のポートレイトや静物は以前より知っていたが、写真集が欲しいとまでは思わなかった。が、99年、私は写真集「Concorde」を六本木のABCで衝動買いした。私は写真集を衝動買いしないが、前年にリージェントストリートのおもちゃ屋で買ったブリティッシュ・エアウェイズのコンコルドのキャストモデルを従弟にプレゼントしてしまったことを残念に思っていて、それがトラウマになっていたからかもしれない。

「コンコルド」の内容は説明はしないが、これを買った直後のBT99年6月号にティルマンスのインタビュー(とてもすばらしい内容)が載っていて、そこで初めて彼の写真の展示方法(インスタレーション)を知った。その方法だが、写真は壁にさまざまな高さ、間隔で配置され、大きさも普通のL判から3畳敷き位まであり不ぞろいである。しかも原則額装されずに紙のままメンディングテープで留められているか、シルバーのダブルクリップ+虫ピンで壁に固定されている。このシンプルな方法により、4つの良い効果が認められた。

1.離れて観た時に配置そのものが作品となっている。
2.作者は作品をまとまりや流れとして見せることができる。
3.通常写真は展示の際に、額・マット・写真のフレーミングという順に3回も切り取られる。それらにより作品がぼやけてしまうのを防いでいる。
4.観客は壁に対してリニアに移動せず、上のほうに展示された作品を見るために壁との距離を調節するため蛇行する。そのため展示室を見回したときに観客が一列に並ばずにばらつき、美しい配置となる。

思っていた以上に魅力的な展覧会だった。「コンコルド」のインスタレーションも観ることができ満足だった。ただし、展覧会のカタログ、BT04年11月号の特集共に、ティルマンス論の内容に不満が残る。

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November 14, 2004

シフォンケーキ地上編

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赤堀先生のレシピのおかげで、ふんわりしっとりシフォンケーキが焼けるようになった。このふんわりしっとりの触感はテンピュール枕に似ているような気がする。私はあの低反発枕に水分を感じるが、このシフォンはメレンゲの状態により実際以上に水分を感じさせるように焼きあがるのである。それまではお世辞で「おいしい」と言ってくれていた友人達も、「旨い、もっとくれ!」と言うようになった。おいしいケーキを作る人は、食べる人以上に幸せである。それまでは、いちいち七分立て生クリームをシフォンに添えていたが、赤堀レシピ導入後は添えることはほとんどない。湿度とやわらかさが丁度いいので生クリームが欲しいと思わないからだ。

型抜きが以外に難しい。これまで果物ナイフで型抜きをしていたが、先日、お菓子仲間と今年3回目の合羽橋道具街ツアーを敢行し、ペティナイフを買った。細身のナイフなので、これまでよりはキレイに型抜きできるようになったが、どうもアルミ型をナイフで削っているような感じがして、そのアルミの削りくずで(といっても見えないが)アルツハイマーになるのではないかと心配である。ドーナツ内側の部分は、竹串でしている。竹串ではきれいに型抜きできないので、やはりシフォンナイフを買うしかないなと思っている。

バリエーションは、紅茶を基本に、コーヒー、バナナ、ブルーベリー、桑の実などいろいろ試してみた。どれもおいしいが、ベリー好きの私は、ストロベリー・スウィッチブレイドやクラウドベリー・ジャム、果てはスピッツの「ラズベリー」を聴きながら、ベリー系シフォンを作っている(うそです)。今、一番気に入っているのはレモンのシフォン。これについてはまた今度ご紹介したいと思います。

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November 13, 2004

アラファト議長死去後

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 昨日のシフォンの続きをアップしようと思ったが、重大なニュースが入ってきた。急遽アラファト議長を取り上げることにする。これまではシフォンだのフレンチだの中国茶だのについて近ごろ少々サブカル的な軟弱なことをさも知っているかのように語っていたかも知れないが、実は専門はアラブ及びイスラム世界なのである。(本当は建築です)
 私は、これまでに中東6カ国、中央アジア2カ国のイスラム国家を歴訪し、「旅行人」という旅行雑誌の読者サークルの関係組織ではアラブ同盟を締結している。今年は世界最北にあるサンクト・ペテルブルグのモスクを訪れた。サマルカンドでは、非情なまでの暑さ中、私はアラーに敬意を表し長ズボンをはいてモスクを訪問していたのに対して、イスラム教徒の現地ガイドオリム君は半ズボンで私を案内した。売り子達はオリム君を観光客と勘違いをし、土産物を売りつけにたかっていたが、私にはそんなことはなかった。8年程前にフジテレビがイスラム教に対する不敬報道をしたことがあり、その謝罪のための番組が製作されたことがある。そのときフジテレビは勤務先にまで押しかけ、私は同僚のイスラム教徒に対するコメントを求められたことまである。更に教育テレビのアラビア語会話を毎週視聴していて、師岡カリーマ・エルサムニーの大ファンである。(彼女に関しては後日あらためて書くことにする)
 私の低レベルなアラブ自慢はさておき、アラファト議長の死去により、パレスチナだけでなくアラブ全体はどのように変化していくだろうか?ここ2日間の朝日新聞の記事を読んでいただけでは、私見をまとめることが難しいことがわかった。特に11月13日付朝日朝刊オピニオン欄の中東地域研究者の池内恵氏の論評を読んでそう感じた、というかアラブ世界に救いはないように思ったのである。ここまで書いて行き詰った。ただただ彼らの幸福を祈るしかないのかな?

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November 12, 2004

シフォンケーキ宇宙編

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私はシフォンケーキをよく焼く。シフォンを焼くようになったきっかけは、自宅のキッチンの改装時にオーブンが入り物理的に製菓環境が整ったことと、その頃読んだ新聞のコラムで毛利衛さんがお菓子作りを趣味としていることを知り、その影響を受けたからである。私は宇宙飛行士ではないが、大学では航空宇宙工学を専攻していた。それゆえにシフォンのドーナツ形状に何かしらスペースステーションのような宇宙的なものを感じ取ったのかもしれない。先日立ち会ったある取材で、風景画家が、描いているときに自分がその風景に溶けるような、宇宙を感じるような気持ちになるときがあると答えたのを聴いて、感銘を受けた。実は私もメレンゲを泡立てながら泡宇宙論に思考を巡らせていた。シフォンケーキは泡宇宙論を超える。なぜならシフォンはメレンゲをも飲み込み、絶対零度の空間を443K(170℃)まで熱することにより生まれる。それはメタ宇宙と言えるかもしれない。

焼き始めた頃はカルディのシフォンケーキミックス粉を買っていた。その後、シフォンの材料は、薄力粉と砂糖と卵とサラダ油と水分だけであることを知った。ミックス粉など必要ないのである。更に書店やネットで調査を進めるうちに、赤堀博美さんの名著「しっとりシフォンケーキ―初めて焼いてもとびきりおいしい35レシピ」(別冊家庭画報)と出会った。私が手に取ったシフォンレシピの本の中では、唯一シフォンの歴史、材料の数量の理由などが詳しく解説されていた。レシピの内容は、他の多くのレシピ集とは多くの点で異なり(私はその内容をここで紹介したくない)、メレンゲの泡立て方には特に詳細な解説があった。メレンゲ作りの心構えまで記されており、理想のメレンゲ作りのために見開き2ページに写真が12カットも掲載されている。更に私が気に入ってしまったのは、そのころメレンゲを泡立てるためのハンドミキサーの購入を検討していたのだが、赤堀先生は「ハンドミキサーではメレンゲの微妙なやわらかさを見極めることが出来ないので、泡立器で確認しながら行ったほうがいいと思う」とおっしゃっていた点だ。

私はこのレシピを読んで、宇宙的な芸術品のようなシフォンケーキが焼きあがることを想像し、胸が高まってくるのを感じた。渋谷のブックファーストから発進すると、青山通りの紀ノ国屋まで遊泳し、切らしていた国産ハイパーバイオレットを無事収容した。そして自宅のキッチンへ航路を定めると、歩調を光速に切り替えたのだった。
(つづく)

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November 11, 2004

白い恋人たち

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先日、吉祥寺駅改札から出てロンロンの新星堂を通り抜けるときに、フレンチポップスのコンピレーションらしき試聴コーナーあることに気が付いた。その日は中央線の車内吊り広告でウェイウェイ・ウーがバカラックを弾いている広告を見た後で、それがアプレ・ミディのスリーブ・デザインに似ていたことも、そのコーナーに気が付いたことに関係あると思われる。「なんだかまたはやりはじめたらしいぞ」と私はひとりつぶやきながら、しかし、試聴もせずにその脇を通り過ぎた。

私のiPodには購入当時からフレンチポップスというプレイリストが作成され、常時50曲分が自動選曲されている。モローやバルドーやバーキンやその娘だのギャルだのが入っており、彼女らは味わい深いシャンソンを聴かせてくる。しかし、洗練されたポップスに聴き慣れた友人達には評判が悪く、「このベタコテ歌謡曲のどこがいいのかわからない」そうである。そもそも私がフレンチに目覚めたのは、昔日、二子多摩川にあったハシシという危ない名前のクラブでシルヴィ・バルタンの「あなたのとりこ」を聴いてからである。CMでもよく使われているので、聴いたことがある人も多いと思う。すぐに中古レコード屋をでシングル盤を探し、その後見つけるたびに買い求め、その道の友人達にプレゼントしたものだ。

そして今だに探しているフレンチがある。「白い恋人たち」のサントラである。やはり昔日、友人達と房総の洲崎へドライブしたときに、友人のカセットテープにその中の1曲が入っていた。「あなたのとりこ」がポップス調で親しみ易いのに比べ、レイのサントラ曲は好みではなかったが、なぜかそのボーカル曲は気に入ってしまった。でもなぜか今まで買わないでいた。そうこうしているうちに数年前から店で見かけなくなってしまった。新品では手に入らないのである。億劫だが、時々中古屋に行ったおりにはチェックしている。

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November 10, 2004

2種類の中国茶

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横浜に行くついでがあったので、中華街の茶舗に立ち寄った。いつもの店で中国茶を買った。碧螺春は、紅茶で喩えると F.T.G.F.O.P. のように産毛がふさふさしたような新芽の緑茶である。金萱は、同じ高山茶でも阿里山の対極にあるようなバニラ香の強い青茶。香りと味の性格、産地もまったく異なるお茶だが、私のお気に入りである。

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November 9, 2004

突然炎のごとく

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監督トリュフォー、1962年。なぜか何度も見てしまう。
「心から心へ移る愛は、神よ、苦しみを生む」みんなそうなのだろうか?

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November 8, 2004

失楽園 風景表現の近代1870-1945

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近年の風景表現に至までの歴史を知るのに絶好の企画展である
(横浜美術館12月12日(日)まで)。空虚を超えての風景美を探究する者に
とってのヒントが散りばめられている。
気になった展示作品は、
ルノアール「木かげ」(私はルノアール嫌いだが、これは別)
岸田劉生「門と草と道」
ウェストン「石膏工場」
木村伊兵衛「墓場」

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November 7, 2004

原卓也の死(10月26日)

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「カラマーゾフの兄弟」の訳者(新潮)である。
外国文学の訳者で、誰なのか初めて気になった人だ。
私の気に入っているシーンは、ドミートリイとカテリーナの「宿命的な日」と
リーザがイワンへの手紙をアリョーシャに渡した後、ドアで指をつぶす場面だ、
などと言ったら、変だろうか?

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November 6, 2004

PAIN DEPICE

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今までの中で、一番美味しかった。

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November 5, 2004

シェフと素顔と、おいしい時間

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恥ずかしながら共感した。確かに親との関係までも変わるよね。

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November 4, 2004

サーモンパーティー

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遊びに行ったら、料理を作る羽目に・・・。

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November 3, 2004

夜明かし

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久々、一晩中飲んだ。古い民家の2階で。階下の笑い声が気になった。

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November 2, 2004

何もしない

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その代わり積極的に何もしない。

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